【映画】「激しい季節」
俺も生まれる前の1959年公開の「激しい季節(Estate violenta)」(ヴァレリオ・ズルリーニ監督)。
第二次大戦中のイタリアのある町が舞台。
ムッソリーニがいたファシスト党高官のボンボン息子カルロと裕福な友人らは、徴兵前のひと時をアドリア海沿岸の避暑地で過ごす。
そこで、カルロは、戦闘機にビックリして転んだ幼女を助けたことから、その母親で戦争未亡人のロベルタに出会う。
2人はお互いに意識し合い、やがて、恋に落ちる。
カルロは、ロベルタと会えなくなるため兵役を逃れ、2人は山奥のロベルタの別荘に身を隠そうとするが…。
20歳のカルロと30歳の子持ち未亡人ロベルタの激しくも狂おしい恋。
友人らを含め皆でボートで泳ぎに出たり、サーカスを見に行ったり、屋敷でパーティーを開いたりする中で、カルロの元からのガールフレンドがロベルタに激しく嫉妬して、ロベルタにイジワルをするところは面白い。大人のロベルタは相手にせずに身を引くけど。
特に、屋敷でダンスを踊るシーンは、チークに合わせてカルロを取り合うような、妖艶で婀娜っぽい官能的な女の戦いって感じで素晴らしい演出。
結局、元のガールフレンドが泣いて出て行くが、それからのロベルタの色っぽいことったら。それまでカルロを愛してることを隠していたため、全てがオープンになったら、大人の女の魅力プンプンで、カルロがたじろぐくらいに抱きついて唇を重ねたりする。
カットになったパイオツ丸出しでベッドに2人抱き合ってるシーン(DVDに特典で入ってる)、公開当時はヤバかっただろうなぁ。
戦争中で、若者は皆、兵隊に取られる時代、そんなの嫌だ!もっと2人っきりでいたい!ってことで許されない恋の逃避行となる。
田舎の別荘に行くために乗ってた列車が爆撃されて、折り返しの列車に乗ることになるが、カルロは乗らずにロベルタを見送ることに。「やっぱり逃げちゃダメだ。僕は戦場に行くよ。ごめんなさい」という心変わりなのか?振り回されたロベルタが可哀想…。
ロベルタはカルロの愛がいずれ冷めてくることがわかってたからなぁ。フツー、逆だけどなぁ。