【映画】「愛と哀しみの果て」

アカデミー賞作品賞他受賞の「愛と哀しみの果て(Out of Africa)」(1985年・米、シドニー・ポラック監督)。

3時間近い大作だけど、テンポの良い(ちっと良過ぎると思うけど…)ストーリー運びで退屈することなく楽しめた。

当時の、1913年頃(第一次大戦期)、まだまだ未開の地であったアフリカに対する欧州白人の接し方、関わり方も、よくわかる名作であった。

主演は、メリル・ストリープ演じる貴族社会の白人女性カレンだけど、クシャクシャ髪のせいで老けておばさんに見えるねー。川の水で髪を洗った時はストレートになって、相手役の男性デニス(ロバート・レッドフォード)も見惚れてしまうくらいに美しいのにさ。

…は、良いとして、コレは原作となった小説があったんだね。
デンマークの裕福な、未婚の女性カレンが、アフリカに移住するという友人のブロア男爵に“便宜上の結婚”を申し込むところから始まる。
2人はイギリス領東アフリカで結婚式を挙げて、カレンは男爵夫人となる。
彼女は最初は戸惑うが、持ち前の気質から、植民地の住人たちと友達になる。
一方、夫ブロアは、カレンの資産で買った農場は失敗、毎日、狩りに興じて、他の女性と浮気する。
さらにカレンは、浮気性の夫に梅毒を移されてしまい、一旦、療養でデンマークに戻ることを余儀なくされる。
カレンは、アフリカに戻ると夫と別れて、かねてから親しかったハンターのデニスと親密になる。そこから、カレンと自由なデニスの哀しい愛の物語が始まる…といったいったストーリー。

ところが、カレンは、2人の間を夫婦のようにしたかったが、デニスは誰にも縛られない自由人であることを知る。

カレンは夫によって移された梅毒によって子供が産めない身体となったため、地元に学校を創って英語や算数、読み書き等を原地の部族の子供たちに教える。

カレンは「彼らは無知だから学問を教える」といい、デニスは「彼らは決して無知ではない。自然とともに生きる術を知ってれば、西洋の学問は必要ない」と返す。

西洋の習慣を持ち込もうとするカレンに対して、自由な自然とともに生きる素朴なアフリカを好むデニス。ここに決定的な2人のすれ違いが生まれてくる。それでもカレンは地主であっても、原地人と同じ仕事をするし、男勝りにジャングルの何処でも出かけていくが。原地人と同じ目線で便利な西洋の習慣を取り入れるべきか、従来通りに自然のままがいいのか。いずれ資本主義はやって来るだろうし、どちらがアフリカにとっても良いのかはわからないね。

結局、デニスは飛行機事故で死亡して、実ることのない愛だったが、未開の地アフリカで愛と冒険に生きたカレン。晩年、波乱万丈のアフリカでの経験を執筆するカレンだが、農園の仕事も、2人の男との愛も実ることはなかったけど、彼女の人生に残ったのは経験だけだったのだろうか?人生は経験だけじゃダメなんだろうか?

たくさん描かれているアフリカの大自然は文句なく素晴らしい。

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脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。