【古典洋画】「タイム・マシン 80万年後の世界へ」

1960年のアメリカSF映画「タイム・マシン 80万年後の世界へ(The Time Machine )」(ジョージ・パル監督)。原作はH・G・ウエルズの小説。

半世紀以上も前の古い映画であるが、なかなか目が離せない展開で楽しめた。

20世紀になったばかりのロンドン在住のある発明家が、時間旅行ができるタイムマシンを発明、近未来から遠い未来、西暦80万年の未来人がいる世界に行くが…。

タイムマシンは当然、PCやAIなどなくて、後ろに回転する円盤が付いて、レバーを引くだけの簡素なチャッチイものだけど、近未来はまだ戦争をしてて、よくあるように、大国の核爆弾によっていくつかの地殻変動が起こり、辿り着いた西暦80万2701年は、一見、人間は平和のようだが、地上に住む人々が、地下世界の人々に食料として管理される世界であったというもの。

遠い未来もやっぱり、支配・被支配で搾取・争いの世界であったということだ。

楽園みたいな地上に住むイーロイ族は、美女・美青年ばかりだが、無気力で本も読まずに知識欲が失せて、ただ家畜のように過ごしており、定期的にサイレンが鳴ると地下に行き、地底人モーロック族の食料となる。

モーロックは、263年に及ぶ核戦争で地下に潜った人々で、人間から類人猿のように退化している。

さすがはH・G・ウエルズ、先見の明と言ってもいいだろうか。

発明家は、1人の美女ウィーナに心惹かれて、この世界を変えるために独り奮闘するのだ。

発明家は、地底人と戦って革命を起こしたわけだが、一旦、現代に戻っても、ウィーナ恋しさにまた未来へ旅立つ。ラストに「バック・トゥ・ザ・フューチャー」に似てるシーンが。

未来を少しでも変えたら、今も変わらざるを得ないのでは?未来を別物として考えるのぢゃなくて、あくまで今と関連し続いているものだから。

西暦80万年も人類が生き延びているわけはないと思うけど、SFの世界では大抵、デストピア、破滅へと至るのだが、人間だけが未来永劫に繁栄するとは誰も思っていないのぢゃ。

他の動物は進化と絶滅を繰り返しており、多分、進化の最終形態であろうと思われる人間が未来に残された道は、やはり絶滅しかないだろう。いくら時代(時間)に抗おうとも、絶滅の運命は変えられないと俺は考える。


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TOMOKI
脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。