「川端康成異相短編集」
文豪の異質な短編集。
もうほとんど忘れてるけど、若い頃、新潮文庫で出てるものは全て読破した。
川端作品といえば、豊かな感受性と繊細な表現が特徴とされているが、俺は、自分のことであろうと第三者的な立場で一定の距離を保って俯瞰する冷徹な視点が特徴だと考える。
だからこそ、美しい日本の美や無常感を深く味わい深く描くことが出来るのだと思う。
一方で彼が、女の死体や身体のパーツにこだわったネクロフィリア的なフェチ小説を書いているのもそれに起因しているのだろう。
幻想文学のような作品もあるが、人間の生死でさえ、感情が乗ることなく、日常の移り変わりの如く描くのは、まさに“異相”である。
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脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。