【洋画】「素晴らしき戦争」
1969年製作のイギリス映画「素晴らしき戦争(OH, What a Lovely War)」。
監督は、俳優であったリチャード・アッテンボロー。
当時の名優がいっぱい出てるらしい。異色な、コメディタッチな戦争ミュージカルだ。長くて、ちょっと退屈しちゃったけど、強烈な反戦メッセージが込められていると思う。
1914年のヨーロッパ。
オーストリアとセルビアは一触即発の状態でピリピリ。
そして、オーストリア皇太子暗殺を機に、オーストリアは宣戦布告書をセルビアに突き付ける。
同時に、ドイツはベルギーに侵入してイタリアと手を結ぶ。
イギリスも参戦を余儀なくされて、ここに第一次世界大戦の幕は落とされた。
イギリスは、徴兵運動が展開され、熱狂した若者が徴兵に応じてベルギー戦線に出兵していく。案の定、政府もマスコミも国民の熱狂を煽るが、最前線では、その逆のことが起きていた。
しかし、兵士の死亡や負傷が伝えられると、イギリスの上流階級社会も次第に華やかな雰囲気がなくなって、涙に暮れる人々が多くなってきた。
前線の兵士が、血みどろの戦いを続ける中、英軍上層部では勢力争いが展開されて、勝利の名声に目がくらんで、狂ったように突撃命令を下す。国内では、婦人らが中心となって、反戦のための街頭演説が行われる…。
時折、演劇の舞台のようなところで将軍らが言い争ったり、戦場でも、皆で唄って踊ったり、ソフトな演出が通される。
ワザとなのか、戦場といえども、血は一切出てこない。それだけに、戦争を進める上の連中の狂気が際立つ。血や残酷な場面は皆無だけど、戦場や墓場で、赤いケシの花が死のモチーフとして象徴的に使われている。
ラスト、兵士の白い十字架の墓が、緑の草原に無数に並んでて、間に咲いてるケシの花を積んで歩く女たちが、この映画のテーマを表していると思う。
戦争が有利か不利かは、戦死した人の数で判断したり、前線とは関係なく、一喜一憂する上層部の愚かさ。心の支えであるべき宗教でさえ戦争推進を大いに説く。
昔も今も変わらないねぇ。熱狂のうちに戦争に参加して、真っ先に死ぬのも、ただ大衆のみ。権力者よりも愚かなのも、ただ大衆のみ。
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