ダイエットと、化学の質量保存則
以前、テレビに出ていた大食い芸人が「私って、食べたら食べただけ体重が増えるの。5kg食べたら体重が5kg増える」って....至極当然の事をヒトによっては違うかも、みたいな口調で発言していたので、中学生/高校生では当然の化学の質量保存則について述べたい。
ヒトは内燃機関である
ヒトの中での科学的活動、というか細胞活動というか、生命活動は、酸素と炭素が反応して二酸化炭素になる、その際に発生する熱エネルギーで体を動かし....、ということなのだから、酸素とガソリンが反応する自動車のエンジンなどの内燃機関と同様であると考えていいだろう。
これはヒトの中での活動は化学反応だという事を示している。
つまり、ヒトは内燃機関であるという定理は真と言えるだろう。
ちなみに、背理として、ヒトが内燃機関でない、ということになれば、ヒトの中で核反応が起きているということになると思う。
核反応では質量は保存しないので(質量も含めた物理学的全エネルギーは保存する)、本稿の結論は間違っているということになるが、さすがにそれはない事は自明だろう。
化学の質量保存則
化学反応の前後では質量は保存する、というのが、質量保存則の内容である
中学生/高校生には至極常識的な知識だろう。
ヒトの質量(体重)の増える要素と、減る要素
こんな感じだろう
入る側の質量が多ければ体重が増加し(太る)、逆に出る側の質量が多ければ体重が減少する(痩せる)。
ちなみに、先の芸人の発言も「ウンチをすると元に戻る」と続いていたな。
さて、呼吸について考えてみると、
「ヒトが呼吸する空気の量」によると、
大人は、一日当たり概ね 500ml * 20,000 = 10,000l
1mol=22.4lなので、10,000l ⇒ 446mol
んで、20%が酸素なので、酸素は 446 * 0.2 = 89.2mol
そんでもって、質量数16の酸素原子なので、酸素分子の質量は、89.2 * 16 * 2 = 2,854g
ちなみに二酸化炭素は、炭素の質量数が12なので、89.2 * (16* 2 + 12)
= 3,924g
まぁ、酸素が全部二酸化炭素になるわけではないけど、、、とりあえず吸入した酸素が全部二酸化炭素になるとすると、呼吸するだけで(ウンチもおしっこも無しで)、一日あたり 3924g - 2854g = 1kg ずつ痩せていく。
ということになる
⇒ 計算あってる!?
「呼吸でどのくらいの酸素が二酸化炭素に変わるのか?(江頭教授)」によると酸素は4%程度が消費される(20%を吸って、16%を吐き出す[差の4%が二酸化炭素])とのこと。
ダイエット以前の基本法則
ダイエットにはいろいろとあると思うが、以下の基本原則は忘れてはならないと思う
「食べなきゃ痩せる」←化学の質量保存則より
これの対偶は
「太るのは食べているから」
論理学の常識だが、逆は必ずしも真ではないからね。
ここでは、まだ健康的に痩せられるかどうかはテーマではなくも質量の増減だけを問うていることにも留意するべし。
ダイエット学
いわゆるダイエットというのは、上記の基本原則を踏襲しながら、食事量を極端に減らすことなく、いかに健康的に体重を減らすのか、というのがテーマなのだろう。
なので、この基本原則を理解していないだろうダイエット本は、参考にはならないだろうね。
便秘とダイエット
以前、テレビで便秘解消で体重減少(ダイエット)と放送していたけど、、、減少した体重と同じ質量のウンチ出しただけやん。、、、それをダイエットと言うのには違和感を感じたし、その放送で肥満と便秘に苦しんでいたのは分かるけどさ、「■■kgのダイエットに成功♪」とか喜んでいたのは、ちょっと義務教育を修了した大人としてどうなのかねぇ...
もう一度学校で理科を学びなおした方がいいのでは!? と思った。
余談
ヒトの体の質量の80%は水(H2O)という事なので、水分を控えたり、おしっこばかりしたり、汗かいたりしても、脱水症状になるので、そういうダイエットはダメですよ。
以上
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