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“うつ”と“ウツボ”に“ウツボカズラ”と“靱“に”靭猿“

ウツボとウツボカズラの違い

『フラジャイル』を読み返していて、子供の頃の出来事を思い出していた。

確か、小学2年生だった、図鑑好きの僕は、生きもの図鑑も植物図鑑も大好きで毎日々眺めていた。

学校で友達との会話で魚のウツボの話しになり「蛇みたいな魚や」とか「毒あるんかな〜」とかたわいのない話しをしていた。
植物も好きだった僕は「ウツボカズラっていう植物は虫を食べるらしいで〜」と会話に参加した。

「そんなん聞いた事無いわ、植物が虫食べるって…ウツボがカツラかぶってるんか?、適当な事言うなよ」
と嘘つき呼ばわりされる羽目におちいった。

多勢に無勢でムキに弁解する事もしないで「図鑑で見た覚えがあるんやけどな…」と呟き嵐が過ぎ去るのを待った記憶だ。


ウツボ

『フラジャイル』の何が、仕舞い込んでいた記憶を呼び覚ませたか。

松岡正剛氏の著書ので良く目にする、日本文化の考察「うつ」についてが『フラジャイル』でも書かれている。

ウツ(空)、ウツロヒ(虚い)、ウツロ(虚)、ウツホ(空)、ウツツ(現)、ウツリ(移り)、ウツリ(写り)ウツリ(映り)などをあげ”空“の中のフラジャイルを探っている。

ここで記す”空“は色即是空の“空"に近いものだと思う。

僕の記憶を呼び覚ましたのは色即是空の空ではなく、単純だけど“うつ(空)で鬱だ。

鬱も心が虚になるのでウツ(空)だ。



空穂,靫とも記す。
矢を入れ,腰につけて持ち歩く筒形の容器。弓矢合戦中心の鎌倉・室町期の武士がよく用いた。長い竹籠で作り,外側を動物の毛皮や鳥の羽などでおおった。
百科事典マイペディア

そして、そもそも靭=矢を入れる筒、中が空洞だから靭(“ウツ”ボ)

魚のウツボは矢を入れるウツボ似ているからウツボ。

ウツボカズラは植物のカズラウツボが付いているからウツボカズラ(靭葛)。

靱猿は狂言の演目の一つで、猿回しの猿をウツボに…と言う話しで、猿の皮で作ったウツボで靱猿。

知識の順番の一番最初が
ウツボ=矢を入れる筒ならば、
ウツボもウツボカズラならスッキリ腑落ちしていたんだやけどな〜と今更思う。

ちなみに大阪の靭公園のウツボは、昔しその周辺に市場、問屋街があって、
問屋➡︎安い➡︎矢す(矢入れ)= ウツボ(矢入れ)で
ウツボという地名になったらしいです…。


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