採用未経験のPOが、2か月半で3名のエンジニアを採用するためにやってよかった3つのこと
この記事はクラウドワークス Advent Calendar 2021 15日目の投稿です。
こんにちは。株式会社クラウドワークスでプロダクトオーナーをしている竹ノ谷です。
このnoteでは、採用未経験だった私がエンジニア採用をすることになり、2か月半で3名の採用に至るまでにやってよかったことを書いていきます。
現在採用活動をしている方や、これから採用活動をしようと思っている方に少しでも参考になれば幸いです。
簡単に自己紹介
2015年に株式会社クラウドワークスに新卒で入社し、最初の2年半はエンジニア/デザイナー向けエージェントサービスの立ち上げをしていました。
その後CtoCのスキルシェアプラットフォームのプロダクトオーナーを経て、現在は「ビズアシ」というオンラインアシスタントサービスのプロダクトオーナーをしています。
エンジニア採用をすることになった経緯
私が現在プロダクトオーナーをしているサービスは立ち上げ当初から専任の正社員エンジニアは1人もおらず、業務委託のエンジニア3~4名でずっと開発をしていました。
ところがある時会社の方針で正社員エンジニアを採用しようとなり、最初は他チームと兼務しているエンジニアリングマネージャーが採用を進めてくれていましたが、採用にかけられる工数もなかなかとれず、半年以上ほとんど進捗がないという状態が続いていました。
そうしているうちに、いよいよ本腰を入れて採用活動をしないとまずい…という状況になり、私自身は多少のエンジニアリングに関する知識はあったものの、採用実務は未経験の状態でコミットすることになりました。
結果としては、採用活動を始めて2ヵ月半で目標としていた3名のエンジニア採用を実現することができました。
ここから本題のやって良かったことを3つ順番にご紹介していきます。
1. 候補者から「どう見られるか」を徹底的に意識する
プロダクト開発もそうですが、「ユーザーからどう見られるか」という点がとても重要だと思い、大きく2つの取り組みをしました。
(1)媒体ごとの「見られ方」の特徴を抑えて対策する
今回はGreenをメインに採用活動をしたので、過去に自身が登録していたGreenのユーザー画面にログインし、求人や届いた「気になる」やスカウトがどういう風に見えるのかを確認しました。
すると例えば「気になる」と「スカウト(メッセージ)」はメニューが同列の扱いで並んでいること、またPC版ではログイン後の画面に「気になる」が届いた求人一覧が表示されることがわかります。
このことだけでも、Greenにおいては送る工数のかかるスカウトよりも「気になる」送信のほうがむしろ目につきやすい可能性があったり、スカウトと「気になる」では求人が表示される場所が異なるので、接点の最大化という意味ではどちらも送るのが◎ということがわかりました。
他にも「アプリで見た際にAの項目はデフォルト表示されるが、Bの項目はタップしないと見れないので、Aの項目に大事なことを書いておこう」や、
「求人の更新日が表示されるので、古すぎる日付にならないように定期的に更新しよう」など、「見られ方」を意識することで、どこにどんな情報を載せるべきか、どういうアクションをすべきかを判断できました。
これ以外にも媒体によってタイトルの見え方や写真の表示のされ方などは異なるので、媒体ごとの「見られ方」を意識した対策はやって良かったと思っています。
(2)求人はターゲット層と同じ人にフィードバックをもらう
非エンジニアだけでエンジニアが見た時に魅力的な求人を書くのは難しいと思っており、今回は求人を作ったうえで一緒に働いているエンジニアメンバーに見てもらうことをしました。
そうすると、「技術スタックの書き方はこっちのほうがいいかも」や「こういう観点を入れるとxxxの技術をしたいエンジニアに刺さりそう」など、エンジニアならではの視点でのフィードバックをもらえ、自信をもって求人を公開することができました。
他にもWeb業界の勢いのある企業の求人は片っ端から読み込み、それらと比べて不足している情報はないか、比較した際に自社でアピールできるポイントは何かなど考慮して盛り込みました。
エンジニアが読んだ時に「いかにマイナスな違和感がない求人か」 という観点は大事だと思っており、技術言語やツールの綴りはもちろん、大文字小文字も含め正式名称になっているか、開発に関する用語を間違った意味で使っていないかも注意が必要です。
ただ、それらをすべて非エンジニアが担保するのも難しいため、そういった意味でもエンジニアに確認してもらうことは重要だと思っています。
また、できるだけ採用ターゲットに近い人に見てもらうことで、ターゲット層に刺さる求人に近づけられるのではと思っています。
2. 進捗・歩留まりの見える化をして改善する
私がエンジニア採用に関わった当初は、応募数などの数値や選考進捗、歩留まりなどのデータは、ぱっと見でわかる形では存在していない状態でした。
そのため、(アナログですが)スプレッドシートで応募者や進捗を一覧化し、各選考プロセスの歩留まりも見えるようにしました。
採用業務をやったことのある方ならわかると思うのですが、「あれ、あの方に面談打診したけどその後どうなってたっけ…」とか、「あれ、あの方って次いつ連絡しないといけないんだっけ…」のような細かい状況やTODOが、選考に進む人が多くなればなるほどわからなくなり、対応も漏れがちです。
それを防ぐために一覧化したスプレッドシートを毎日見るようにし、連絡が漏れていないか、リマインドすべきタイミングの人はいないかということをこまめに確認していました。
見える化することで、自分以外の採用に関わっているメンバーにも進捗がすぐ伝わるという効果もありました。
また、合わせて選考の歩留まりも見える化して注視することで、「面談打診からの返信率が悪いから、打診の仕方を変えてみよう」とか、「カジュアル面談後の応募率が低いのでカジュアル面談の内容に改善点があるのかもしれない」といった対応をすることができました。
ちなみにこの結果、1番効果があったのは一度媒体上で反応があった方へのカジュアル面談打診後の返信率で、初回の打診のみだと返信率が70~80%くらいなのが、内容も工夫してリマインドすることで90%以上にすることができました。
数値周りの整備や進捗の見える化は後手後手になりやすい部分ですが、しっかりと見える化してデータをもとに改善を続けることはやってよかったと思ってます。
3. 何を伝えれば響くかを考え、引かれる覚悟でアトラクトする
候補者に直接アトラクトできる場面は、カジュアル面談や面接といった直接対話するシーンと、メッセージでのやり取りの2つと考えており、それぞれにおいて意識してやっていたことがあります。
(1)対話する場面でのアトラクト
まず、私自身はカジュアル面談を担当していたので、その方がどんなことに興味があるのか、どういう訴求が響くのかといったアトラクトのための材料集めを意識するようにしていました。
これはその後の面接やメッセージ内でのアトラクトに活かすことになります。
また、内定をお出しした際に「フォロー面談」という形で選考とは関係なくフランクに話せる場を設けているのですが、アトラクトに注力できる場でもあるので、フォロー面談に誰に出てもらい、どんな話をしてもらうのかという点はかなり考えてセッティングしていました。
例えば、エンジニア同士の交流や組織づくりに興味がある方には、社内で近しい取り組みをしている他チームのエンジニアに声をかけて参加してもらったり、関わるサービスの意義や今後の可能性に共感がある方には事業部長に参加してもらい、サービスが始まった背景から将来的な展望を話してもらう、といった感じです。
チームや職種の垣根を越えて、最も候補者に響く話をしてくれそうな人に依頼をするのが大事だと思ってます。
他にも紹介したい記事のリンクや話のネタは予め準備しておき「あれも伝えればよかった…」と後から後悔することがないようにしていました。
(2)メッセージでのアトラクト
それぞれの面談や面接の後には「どんな点に惹かれたのか、どういう点が弊社とマッチすると感じたのか」といった感想を必ず送るようにしていました。
自身が担当した面談はもちろん、他担当者が行う面接も必ずコメントをもらうようにし、文章を整えて送っていました。
(文章を整えるのは大事だと思っており、担当者はそのまま送ることを想定した書き方はしていないので、候補者が読んだ時にどう思うかを考えて清書してました)
これは実際に採用したメンバーにどういう印象だったかを後から聞いたのですが、「なかなか面接のフィードバックは聞けないのでとても良かった」という感想ももらったので、やって良かったなと思ってます。
内定を出すときにまとめて伝えるケースもあると思うのですが、個人的には次の選考ステップに確実に進んでもらうことや、タイムリーさも踏まえて都度都度伝えるのが良いのではと思ってます。
さらに注力していたのは内定をお出ししたタイミングで、時には1,500文字を超える長文のオファーメッセージを送っていました。
内容としては、なぜ入社してほしいのか、意向に対してどういう環境を提供できるのかといったことから、会社や事業の意義、あとは私自身がなぜ今ここで働いているのかといった想いを伝えることもありました。
自分でも「さすがにこんなに長文で送ったら逆に引かれるかな...」とは思いつつも、「送らずに内定辞退で後悔するくらいなら、やれることを全部やっておこう」というスタンスでやっていました。
実際は引かれていたかもしれませんが(笑)、最終的には内定をお出しした方全員にご入社いただけたので悔いはありません。
メッセージは形として残るので、意思決定の際に何度も読み返すことができますし、熟考した内容を適切に伝えられるというメリットもあるので、日程調整のためだけに使うのではなく、アトラクトの強力な手段として使うのが良いのではと思っています。
おまけ:何より大事なこと
ここまでやってよかったことを書いてきましたし、他にも細かいポイントを挙げればキリがないのですが、何よりも大事なことは「毎日続けること」だと思っています。
2か月半で3名採用と書くと順風満帆だったように見えるかもしれませんが、最初の頃はスカウトを送っても全く反応がなかったり、試行錯誤しても全然応募が集まらずに心が折れかけたことが何度もありました。
それでも「とにかく毎日媒体を開いて、何かしらのアクションをする」と決めており、それを続けられたのが最終的に採用に至った1番の要因だと思っています。
なので、短期的に成果がでなくてもめげずにとにかく続ける、というのが何よりも大事だと感じています。
エンジニア採用の道は続く…
自チームのエンジニア採用が終わった後は、当社のメインサービスである「crowdworks.jp」のエンジニア採用をはじめ、全社のエンジニア採用をリードすることをさせてもらっています。
当社のエンジニア採用は人事の他に各事業部のメンバー(主にエンジニア)が主体となって動いているので、各事業部のメンバーで集まり隔週でミーティングを行い、採用プロセスに関するノウハウの共有や、各チームで困っていることの相談などをしています。
まだまだ活動をはじめて半年ほどですが、どのチームもエンジニア採用で一定の成果があり、なにより「全社でエンジニア採用のための活動を継続的に続ける」という素地が醸成されたことが1番の成果だと思っています。
今後はこれまでの活動でためたノウハウを、今後エンジニア採用をするメンバーのためであったり、エンジニア以外の採用でも活用できるよう展開していくことを目標としています。
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