なんとなく解いた数学の問題~高次方程式と整数問題
なんとなく数学の本を眺めていたら、出くわした問題です。
まず1)からですが、
与式の左辺を$${x}$$でくくります。
このとき、
$${x(x^{2}+nx+n^{2})=p}$$です。$${x=α}$$を代入すると、
$${α(α^{2}+nα+n^{2})=p}$$ですね。
$${α}$$は正の整数、$${p}$$は素数であり、左辺は正の整数なので、
$${α=1,α^{2}+nα+n^{2}=p}$$……①と$${α=p,α^{2}+nα+n^{2}=1}$$……②のふたつが考えられます。
ようするに、②が成立しないことを示せばいいわけです。
①のときは$${α=1}$$を代入して、$${p=n^{2}+n+1}$$ですから、これを満たす素数はいくらでもありそうです。
では②のとき、$${p}$$を後ろの式に代入して
$${p^{2}+np+n^{2}=1}$$となります。この$${p}$$に関する2次方程式の判別式$${D}$$は、$${D=n^{2}-4(n^{2}-1)=4-3n^{2}}$$です。
これが$${0}$$以上になり、$${\sqrt{D}}$$が整数となるような整数$${n}$$は$${0,\pm{1}}$$ですが、
$${n=0}$$のとき$${p=\pm{1}}$$より、これは素数でないので不適ですし、$${n=\pm{1}}$$のときも$${p=0,\pm{1}}$$となり、素数でなく不適です。
$${n\geqq{2}}$$、$${n\leqq{-2}}$$のときは、$${D<0}$$より実数解を持ちません。
よって②は成り立たず、①、すなわち$${α=1}$$のとき与式は成立します。
2)ですが、1)で$${x=1}$$という解を持つことがわかりましたので、与えられた式を因数分解します。
このとき、$${(x-1)(x^{2}+(n+1)x+n^{2}+n+1)=0}$$となります。
ただし、$${p=n^{2}+n+1}$$です。
この方程式が$${k+\sqrt{2}i}$$を解に持つということは、
この2次方程式は共役複素数$${k-\sqrt{2}i}$$も解に持ちます。
ここで、$${β=k+\sqrt{2}i,γ=k-\sqrt{2}i}$$と置いてみると、解と係数の関係から
$${β+γ=-2k,βγ=k^{2}+2}$$となります。これと$${(x^{2}+(n+1)x+n^{2}+n+1)=0}$$を比べてみましょう。
$${-2k=n+1,k^{2}+2=n^{2}+n+1}$$となり、$${k}$$に$${n}$$を代入すると、
$${\dfrac{(-n-1)^{2}}{2^{2}}+2=n^{2}+n+1}$$、まとめると、
$${3n^{2}+2n-5=(3n+5)(n-1)=0}$$、$${n}$$は整数ですので、
$${n=1}$$となります。
ここで、$${p=n^{2}+n+1}$$でしたので、上の値を代入して計算し、
$${p=3}$$、これは素数です。
よって求める$${p}$$の値は$${3}$$です。
また、$${k=-1}$$という値もついでに出てきます。
比較的簡単な問題でしたが、頭の体操にはちょうどいいですね。
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