なんとなく数学の話を~球の体積の公式求め方
中学校で、球の体積を求める公式を学習したと思います。
球の半径$${r}$$(ただし$${r}$$は正の実数)としたときに、体積を$${V}$$とすると、
$${V=\dfrac{4}{3}\pi{r}^{3}}$$
でしたよね。
中学校の段階で、この公式の求め方までは学習しなかったと思います。
ここで、私なりの公式導出方法を書いていきたいと思います。
$${{\reals}^{3}}$$において、球は
$${x^{2}+y^{2}+z^{2}=r^{2}}$$(ただし$${r>0}$$)という関数で表せます。
ここで、$${z^{2}}$$を右辺に移項して、
$${x^{2}+y^{2}=r^{2}-z^{2}}$$とします。定数$${r}$$は$${z}$$より大きいことは自明ですので、$${r^{2}-z^{2}\geqq{0}}$$です。
ここでこの式を改めて見直すと、左辺は平面上の円であり、右辺の変数$${z}$$が条件の元で様々な値を取ることにより、$${z=z'}$$とおくと、右辺は$${z=z'}$$で球を切ったときの切断面の半径の二乗となります。
この$${z}$$の値の変化により半径は様々な値を取ります。
ここで、$${z=z'+h}$$(ただし$${h\rarr0}$$)とおくと、この球は半径$${\sqrt{r^{2}-z'^{2}}}$$において、$${h}$$という微小量で円が(正確には微小な立体が)積み重なってできている、と理解できます。
なので積分してみましょう。
$${-r}$$から$${r}$$にかけて$${r^{2}-z^{2}}$$を$${z}$$で定積分します。
$${{\pi}{\int}^{r}_{-r}{(r^{2}-z^{2})}dz=2{\pi}{\int}^{r}_{0}{(r^{2}-z^{2})dz}}$$
よって、
$${{\pi}{\int}^{r}_{0}{(r^{2}-z^{2})}dz={\pi}[r^{2}z-\dfrac{1}{3}z^{3}]^{r}_{0}}$$
よって
$${r^{3}-\dfrac{1}{3}r^{3}=\dfrac{2}{3}r^{3}}$$
なので、これに$${2}$$と$${\pi}$$をかけて、
$${V=\dfrac{4}{3}{\pi}r^{3}}$$となります。
厳密性には欠けると思いますし、どこかで間違っている可能性もありますが、このような形で出しました。
※10/22補足
考えてみれば、半径$${\sqrt{r^{2}-z'^{2}}}$$、高さ$${h}$$の微小な円柱とできるわけで、その体積は$${{\pi}h*(r^{2}-z'^{2})}$$であり、これを$${{\pi}(r^{2}-z^{2})dz}$$とすれば積分する理由は明確なんですねぇ。