なんとなく解いた数学の問題~「大学への数学」学力コンテスト編
$${k\isin{\R}}$$とする。次の三つの等式がいずれも成立するような三つの異なる$${a,b,c\isin{\R}}$$が存在するとき、$${k}$$の取りうる値の範囲を求めよ
$${a+b+c=-k, a^{2}+b^{2}+c^{2}=2k^{2}+k, a^{3}+b^{3}+c^{3}=2k^{3}-3k^{2}}$$
(問題文の表現を一部変えています)
なんとなく解いてみましたが、答えを持ち合わせていないので、解答と照らし合わせることができませんでした。
なので、自分なりに解いた道すじを以下に記します。間違いや厳密性に欠ける部分があれば教えてください。
上の等式から、$${ab+bc+ca, abc}$$を$${k}$$で表すことができれば、三次方程式の解と係数の関係から三次方程式を立てられそうです。
ここで、三つの等式を順に①、②、③とおきます。
また、$${a^{2}+b^{2}+c^{2}=2k^{2}+k>0}$$より、$${k<{-\dfrac{1}{2}}, 0<{k}}$$……Ⓐがわかります($${a,b,c}$$は異なる三つの実数であり、三つとも$${0}$$になることはありませんので、等号は入れません)。
ここで、②から、$${a^{2}+b^{2}+c^{2}=(a+b+c)^{2}-2(ab+bc+ca)}$$より、
②$${=(-k)^{2}-2(ab+bc+ca)=2k^{2}+k}$$
計算すると、$${ab+bc+ca=-\dfrac{1}{2}k(k+1)}$$……④
また、$${a^{3}+b^{3}+c^{3}-3abc=(a+b+c)(a^{2}+b^{2}+c^{2}-ab-bc-ca)}$$ですから(因数分解を確認してみてください)、①、②、④より
③$${=(a+b+c)(a^{2}+b^{2}+c^{2}-ab-bc-ca)+3abc=(-k)(2k^{2}+k+\dfrac{1}{2}k(k+1))+3abc=2k^{3}-3k^{2}}$$
計算を省くと、$${abc=\dfrac{1}{2}k^{2}(3k-1)}$$……⑤となります。
よって、①、④、⑤と解と係数の関係より、$${a,b,c}$$は$${t}$$の三次方程式
$${t^{3}+kt^{2}-\dfrac{1}{2}k(k+1)t-\dfrac{1}{2}k^{2}(3k-1)=0}$$
すなわち、両辺に$${2}$$をかけて、
$${2t^{3}+2kt^{2}-k(k+1)t-k^{2}(3k-1)=0}$$……⑥の実数解です。
ここで、実は⑥は因数分解できます。
因数定理を使うと、⑥は$${t-k}$$で割り切れることがわかります。
よって、
⑥$${=(t-k)(2t^{2}+4kt+k(3k-1))=0}$$
ここで、後ろの二次方程式が異なる二つの実数解を持てば、$${a,b,c}$$は異なる三つの実数解を持つ、と今のところはいえそうです。
よって、二次方程式の判別式より
$${D=(2k)^{2}-2k(3k-1)={-2k^{2}+2k}>0}$$
だから、$${k(k-1)<0}$$すなわち、$${0<{k}<1}$$
これとⒶをあわせて、
条件を満たす$${k}$$の範囲は$${0<{k}<1}$$となります。
ここで、$${2t^{2}+4kt+k(3k-1)=0}$$が$${t-k}$$を因数にもってしまった場合を考えましょう。その場合は、$${(t-k)^{2}}$$があらわれますので、三つの異なる実数解がある、とはいえなさそうです。
$${2t^{2}+4kt+k(3k-1)=(t-k)(2t+f(k))}$$となったとします。
このとき、$${f(k)-2k=4k, -kf(k)=k(3k-1)}$$です(細かい計算は省きました、展開して係数を比較するだけです)。
これを$${k}$$について解くと、
$${9k^{2}-k=0}$$となります。この二次方程式を解けば、
$${k=0, \dfrac{1}{9}}$$となり、上の$${k}$$の範囲から、
$${k=\dfrac{1}{9}}$$だけは除くこととなります。
よって答えは、
$${0<{k}<\dfrac{1}{9}, \dfrac{1}{9}<{k}<1}$$となりました。
合っているか、まったく自信がありませんが、ご存知の方は教えてくださると嬉しいです。