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#20 椅子をキャスターなしにした
きっかけ
職場のデスクチェアをキャスター付きのワークチェアから、キャスターのない木製椅子に変えた。
🪑
キャスターは、少し体を移動して、モノをワゴンから取り出すとき便利だ。
回転座面は向きたい方へ自然と体を正対させてくれて、マルチな作業がしやすい。
そんなワークチェアを特に疑いなくずっと使ってきたが、仕事中にふと、椅子が脚ごと僅かに動くこと、回転座面で楽に向きが変わることに違和感を抱いた。
集中してモノを考えたい場合、自分はどっしりと深く潜り込めるような環境を好んできた。
音楽をかけていても、集中してくると止める。
照明はデスクランプで一部の範囲だけが照らされる方がいい。
なので体もあまり自由に動かない方が、思考が働くのでは、と予想した。
足の裏をしっかり床につけて、どっしり構えてみたら好みに合うのではないか、と。
そこで木製の椅子に変えてみた。
気づいた変化
効果ははっきり実感できた。
椅子の不安定さがなくなり、体が「ピタッ!」と止まることで仕事がしやすい。
集中も途切れにくい。
無自覚だったが、椅子の動きを細かく制御していたことがノイズになっていんだろう。
人はマルチタスクが苦手だという。
はじめ、有り合わせの椅子で実験してみて、上記のような感覚があったので、その後、長く愛用できそうな椅子を購入した。
今年の5月末から使い始めたので、今ちょうど6ヶ月が経ったところ。
調子がいいので戻すつもりはない。
そばにはまだ、以前使っていたキャスター椅子があるが、それは来客と話すとき用のサブにしてある。
体だけが知っていること
頭で考えれば、キャスター椅子の方が自由に動けて便利そうである。
座面も柔らかい。
作業効率が高そうだ。
木製椅子は動き辛く、座面のクッションも効いていない。
だが、欲しい結果は後者の方で叶った。
考えごとが多い仕事環境だったから、たまたま相性がよかったのかもしれない。
次々とスピーディーにタスクをこなすことが求められるなら、キャスター椅子の選択がベターかもしれない。
また人によっては、体が自由に動く方が思考が進みやすいかもしれない。
個人差もあるだろう。
しかし、いずれにしても今回、自分は「仕事にはワークチェアがベスト」と頭で決めつけていたことに気がついた。
理屈や経験からの憶測で答えを簡単に出してしまうことは多いが、その答えを疑ってみることも大切だ。
その為には、今回のワークチェアの違和感をキャッチするようなイメージで、体の感覚に意識を向け、どう感じているのかを丁寧に味わうことが必要だ。
体だけが知っていて自分は知らない、「自分にとっての心地よさ」を虫眼鏡で探して拾うような感じ。
無意識の中で流れていってしまうことが多い中、そこへ意識を向けると、ほんの少しだけ、考えても出てこないようなヒントにアクセスできることがある。
それが理想に対して、僅か0.1%の効能であろうが、見つけられたらしめたもの。
1000個集めれば天井だ。
いや心地よさはひょっとしたら、上限なく積み上げられるかもしれない。
そのような小さな心地よさの創造を一つ一つ、ゆっくりでいいので丁寧に重ねていきたい。
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