「真実は一つではない」情報の質を見極める考えを促すためにわたしたちは何ができるのか。
たまたま目にしたmediumの記事が、まさに今までの実践の延長線上にあるものだったので、ご紹介します。
タイトルは「The Revolutionary Pedagogy of Truths」直訳すると
「真実が一つではない時代のためのあたらしい教育方法」
に関しての記事でした。
時代背景から考える
特に最近言われているのは「Fake Newsの時代」だ、ということ。
インターネットを使えばいつでも、どこでも、どんなときでも、物事を調べることができます。ただし、インターネット上にある情報の80%は嘘の情報と言っても過言でないほど、情報の「質」を見極める目が必要になってきています。
文中では下記のように、現代の状況を端的に一言で現していました。
No one holds a monopoly of truth.
誰も「真実」を我が物とすることはできない。
特にFakeの情報が多いのは、医療・健康・教育・子育て分野。
実際にわかっていることが「1」だとしたら、だいたいインターネットの記事に書かれているのはそれを「50」くらいに課題解釈をしているものばかり。こんな時代にはどのような学びが必要とされるのでしょうか。
今までの学びの方法
今までの学びは、「正しい答えを覚えていることが素晴らしい」とされてきました。(もしかしたらいまだにそうかもしれません。)
それは、つまり単数形の「The truth」を追い求めることです。
根底にある考え方は、誰かがたった一つの真実を知っていて、それをわたしたちが学ぶことで、より良い日々を送ることができるというものです。
しかし、上で述べたように、「真実は一つではない」時代になってまいりました。
これからの学びの方法
これからの学びの方法は、「Truths」という複数形の真実について考えなくてはなりません。
幾つかの選択肢がある中で、その中のどれが「尤もらしい」か、様々な人と意見交換をしたり、自分の今までの経験と照らし合わせた判断を行っていかなければ、わたしたちはただ惑わされてしまうばかりになってしまいます。
ここで、記事の著者は下記のようにあたらしい教育方法を提案しています。
1.脳の情報処理のスピードに合わせて、会話のスピードを調整し、各々の生徒の発言を丁寧に拾っていって、様々なものの見方をその場に参加している人に明確になるように働きかける。
2.それぞれの子どもたちの発言をホワイトボードに書き記し、必要があれば発言を止めて、質問をして更にその場に参加している人の理解を深める。
3.子どもたちが自ら巻き起こした調査や個人的な経験、他の人から得られるものの見方を元にした「理由付け(reasoning)」を行ったときは、それを大いに歓迎する。子どもたちのそういった挑戦が今後の深い洞察につながることをその場に参加している人たちに伝える。
4.「いや、でも」ではなく、「そうだよね、それに」というような文化を創り出す。否定ではなく肯定からアイディアが広がることを自覚させる。アイディアをつくっていくときには自分の経験に基づいて語ることが素晴らしいことだと知らせる。
以上の4点が重要な観点であると述べています。
特にこのアプローチは子どもたちの「もともと持っている知識(Prior Knowledge/ Prior Concept)」から発展させていくために、集団で創造性を発揮する際に最も重要なアプローチですよね。
実際にここまで意識して日々取り組めているかといわれると、なかなか難しいところではあります。しかし、理想は高くそれを目指していきたいものです。