スクリーンタイムは、【管理】ではなく【振り返り】に。
大人も子どももデジタルデバイス中毒
近年「スマホ育児」なるものがバズワードになるほど、子どもとテクノロジーの距離はぐっと縮まっているとともに、大人も子どももデジタルデバイス中毒になってしまっているのではないでしょうか。
かくいう私も電車内ではKindleアプリを使ってマンガや書籍を読んでいて、あながち他人事とはいえません。
東京コミュニティスクールでのデジタルデバイス
そして、東京コミュニティスクールでは、1年生〜4年生まで、一人一台のiPadを活用しています。
子どもたちは自由な時間を活用して、iMovieを使って映像作品をつくったり、お絵かきパッドのアプリを活用して写真をアレンジしたり、PyonkeeやSwift Playgroundsを使ってプログラミングをしたり、iPadでクリエイティブに遊んでいる姿があります。
ただ、サファリを使って自分の好きな電車やキャラクターを検索して、遊びたくなってしまう誘惑があります。
そんなとき、ITの時間ではTCSでiPadはどのように使ってほしくて、キッズたちが利用することができるようにしているか、を必ず伝えるようにしています。
「つくるため」、「まなぶため」
「iPadをあまり使わないようにする」ということは、これからの社会を生きていく上でまったく現実的ではありません。コンピュータを使わずして仕事をできるところなど皆無であって、もはやノートと鉛筆のようにデジタルデバイスを自由自在に使っていかなければならない時代ですよね?
そう考えた時、大切にするべきは「つくるため」「まなぶため」という
「〇〇しないように」というパッシブなものではなく、
「〇〇するために」というアクティブな考え方を重視しています。
例えばスライドをつくる。例えば映像を編集する。例えばアレンジを加える。「つくるため」にできることはたくさんあります。
「つくる」ことそれ自体が「まなび」ともいえるでしょう。
でも誘惑に打ち勝つのは難しい。。
しかし!実際に誘惑に打ち勝つのはなかなか難しい。大人も子どもも、Googleで検索したり、YouTubeを見たり、メールをしたり、所謂「消費的」な活用方法をしてしまうこともあります。
そんなときは、「スクリーンタイム」の出番です。
スクリーンタイム
最新のiOSに搭載された「スクリーンタイム」
iPadなどで活用することができます。簡単に機能を紹介すると、
iPad上でどのアプリをどの程度使ったか、1日単位と一週間単位のデータを確認することのできるツール
です。
真っ先に思いつきそうな用途は、「子どもがどのくらいブラウザーを活用しているか」を管理して、注意するということだと思います。
しかし、管理するだけでは、自律的に「デジタルデバイスを使う時間」を調整することはできなくなってしまいます。
管理することはつまり、人であろうとアプリであろうと、何かの管理に依存させてしまうことになりますよね。
スクリーンタイムのアクティブな使い方「振り返り」
「データを確認することができる」ということは、それを活用して「振り返り」に活用できるということです。
スクリーンタイムのデータを読み取ることで、自分がどのアプリにどれくらい時間をかけているか認識することができます。
上のグラフは1日単位ですが、通勤時間にメール(水色)を活用し、夕方帰りがけには、Kindleで読書(深い青)、そして、このNoteを書くためにお絵かきパッドと写真(オレンジ)を使ったことがわかります。
例えば、Google ChromeやSafari、YouTubeのアプリが入っていれば、YouTubeのアプリをそれぞれどの程度自分が使ったかが一目瞭然です。
さらに、平均より59分上、というのは最近新しくKindleで購入した書籍を読み始めたからでしょう。
一週間あたりのデータも見ることができます。一週間を振り返って合計何時間見たのか、どんなことに使ったのか、など細かく見ることができます。
例えば、Kindleでよく本を読んでいる、ということは、「継続した読書ができている」ということになるのではないでしょうか。
裏を返せば、動画サイトをたくさん見ていたり、ゲームをたくさんしていることを「見える化」することで、自分の時間の使い方を見直すことができ、次のアクションを大人も子どもも一緒になって考えることができます。
大人も子どもも自分ごととして
電車に乗っている人の90%はデジタルデバイスを閲覧しています。デジタルデバイスを活用することは、悪いことではないとは思います。
しかし、そればっかりになってしまうこと、つまり「中毒」になってしまうことは、感覚を鈍らせ・決まりきった情報を常に取得し続けるルーティンな毎日に埋もれてしまうのではないでしょうか。
自分とデジタルデバイスの関係を見直すためにも、たまには「スクリーンタイム」を活用してみてください。