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孤独な研究者の夢想

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認知科学研究・最近読んだ本・統計など研究に関係することを書きます。
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#最悪シナリオ

「最悪の事態」を考えれば、正確に計画を立てられるのか?(3) ー計画錯誤と悲観的シナリオー

前回までの記事では、ベストケースに基づいて課題の時間を見積もる「楽観バイアスがいかに強いかが実験の結果によって示された。 今回は、残す二つの実験、実験4と実験5を紹介する。 実験4実験3までは、「ベストケース」、「最悪のケース」、「現実的ケース」の3パターンのいずれかを考えさせる実験や、複数のシナリオを考えさせる実験を行い、楽観バイアスがいかに強いかを示してきた。 そして、「最悪のケース」が最も実作業時間に近かったことが示された。 しかし、今までの実験では常に「ベスト

「最悪の事態」を考えれば、正確に計画を立てられるのか?(2) ー計画錯誤と悲観的シナリオー

前回は、Newby‐Clark, I. R. et al. (2000)の研究のうち、 「ベストケース」「現実的なケース」「最悪のケース」を、それぞれ3群に分けた大学生に、大学の課題を完遂するまでの時間を見積もらせ、そのあと最終的に見積もらせ、実際に実行してみて見積もりとどの程度違うかを比較してみる実験1を紹介した。 今回は、「最悪のケース」といっているからこそ採用しないのではないか、という問に答えるために、アプローチを変えた実験2について考える。 実験2はこんな一文か

「最悪の事態」を考えれば、正確に計画を立てられるのか?(1) ー計画錯誤と悲観的シナリオー

人は自分がこれからしようと考えていること、例えば料理や仕事にかかる時間を見積もると、 必ずと行っていいほど「楽観バイアス」が働いて、無意識のうちに楽観的に見積もり、実際に掛かる時間は見積もった時間を超えてしまう、 「計画錯誤(Planning Fallacy)」という傾向について以前書きました。 様々な分野、折り紙からソフトウェア開発まで、時間の見積もりを研究していった結果どの分野にも共通して引き起こされるこの傾向は面白い結果を呼びました。 今回は、この「楽観バイアス