蓋
平気でナイフを突き立てる。
浅い傷、深い傷、無作為に。
相手の心など知ったこっちゃない。
私は私に恐怖を抱く。
自分が一番大切。
爽快感と優越感と微小な存在感に満足を得る。
その表情のまま横目で人の顔色を伺う。
私は私に疑心を抱く。
信じられるのを待つのは今から目を逸らす言い訳か。
頬を流れる清き流れを、
胸から広がる柔らかな鐘の響きを、
私はそれらも持ち合わせていて、
今日も誰かとすれ違う。
愛という海に包まれるかのように、
ただただ目の前の人が美しく思える。
例えるなら物心を持った赤子のように、
汚れなく偽りなく意図もなく。
光と闇と無限に存在するグラデーションと。
共存しながらも蓋が天へ届くほどに、
僕の心が爆発できるのだろうか。
そろそろじゃないか、なあ。
ともですっ、最後までご覧頂き本当にありがとうございます^^