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海風


舞い上がった砂と潮風が、
僕の顔にこれでもかと打ち付ける、
僕が生きていること、
呼吸をしていること、
この地で過ごしていることを、
知らせてくれた。

運転席のドアノブに伸ばした手を引っ込めて、
もう一度ボンネットに寄りかかった。

白波を追うサーファーと、
砂浜に足跡を残す散歩中の犬と飼い主、
その光景にシャッターを切るカメラマン。

そんな光景の奥には、
果てしなく続く海。
果てしなく押し寄せる波と風。

乱れた髪をかき上げて、
見上げた空は神々しくのびやかで、
ちっぽけに佇む僕に、
優しい光の矢が降りそそぐ。

情けないような、
寂しいような痛みが刺さる。

けれど力強く、
前に進もうと思わせる優しさを、
送り込んでくる。

空、海、砂、風。

幾千の人々に、
あなたたちは出会い、
生かし殺しを繰り返し、
僕のもとに今、
入り込んできたのだろうか。

全能的かつ絶望的な、
絶対的なスケールに、
小手先では生きていけないことを、
諭されるような気がする。





ともですっ、最後までご覧頂き本当にありがとうございます^^