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あなたは何タイプ?オーストラリアのF&Pが示したファンドレイザーの6つの性格タイプとは
2023年8月末、オーストラリアの非営利団体Fundraising & Philanthropy(F&P)がシドニーで開催したファンドレイジング・フォーラムに参加してきました。
セッション等からの学びは、別の記事で改めて共有させていただきます。
この記事では、セッションの合間に行われたコンテンツで、日本のファンドレイジング関係のみなさんに共有したいと思った「ファンドレイザーの6つの性格タイプ」について、日本語に意訳してご紹介します。
ぜひ、自分は何タイプかを下記を見て考えていただいて、ご自分の個性を活かしたファンドレイジングを行う参考にしていただければと思います!
なお、これはアメリカの研究論文をもとにオーストラリアのファンドレイザー向けに紹介されたもので、日本のファンドレイザーには当てはまりにくい部分もあると思いますので、あくまで一つの参考と捉えて、見てもらえたらと思います。
ファンドレイザーの6つの性格タイプ
今回ご紹介するファンドレイザーの性格タイプは、人間の性格を6つの項目で表すHEXACOモデル(HEXACO model of personality structure, HEXACO personality model)をもとに作成されたそうです。
参照元は、アメリカのGenevieve G. Shaker氏による大口寄付者を対象に行われた寄付研究「A thematic analysis of fundraiser characteristics in high-quality major donor fundraising relationships in US higher education」と説明されていました。
また、この研究は、大口寄付者とファンドレイザーの関係性についてのリサーチなので、示された6タイプは対寄付者・支援者におけるファンドレイザーの性格タイプである点はご留意ください。
①テクニカルな熟練者(The Technical Virtuoso)
ファンドレイジングの理論やテクニックに熟練したファンドレイザー
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直接的にかつ心に余裕を持って、寄付や支援を求めたり話をすることができる
その寄付や支援が「なぜ必要なのか」「何を達成することができるのか」を明瞭に説明することができる
支援を明確に求めることができて、寄付や支援の仕組みにもとづいて理にかなった選択肢を提示することができる
ステークホルダーの巻き込みやフォローアップ、対面の機会などに向けて、徹底的に準備をすることができる
経験や専門性に裏打ちされた自信がある。それによって、寄付者・支援者からの信頼を得られて、関心を寄せさせ支援行動を起こしやすくする
②公正な仲介人(The Even-handed Representative)
寄付者・支援者と組織のどちらの立場にも配慮することができ、フェアな精神を重んじるファンドレイザー
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寄付や支援の重要性を伝えるのに役立てることができる自組織に関する知識を持っている
組織の優先事項と関心事を寄付者・支援者に明確に伝えることができる
組織にとって損害を引き起こしうる寄付や支援を、選別して除くことができる
組織と寄付者・支援者の双方にとって最良の道を見つけることができる
必要に応じて、一方を代表して他方に対して交渉することができる
組織と寄付者・支援者の間でのコミュニケーションの潤滑油となることができる
寄付者・支援者の制約や限度を認識し、その境界を越えないように気を配れる
③献身的なコラボレーター(The Dedicated Collaborator)
寄付者・支援者に辛抱強く関わることができて、当人達にとって良い寄付体験・支援体験をつくろうとするファンドレイザー
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寄付者・支援者の話に耳を傾けることができる。寄付者・支援者の意図を汲み取ることに時間と労力を割き、対話を通じて共に「良い寄付・支援(の体験)」を創ろうとする姿勢がある
寄付者・支援者の志向や好みをうまく反映して、ソーシャルインパクトのあるファンドレイジングにつなげることができる
寄付者・支援者が自身の目的を、その寄付・支援を通じて達成できるようにサポートできる
寄付・支援メニューのコンセプト設計から実現まで携わることができる
寄付者・支援者に対して、様々な支援の選択肢をプレゼンテーションできる
寄付者・支援者との「旅路」を楽しむことができる
現実的に考えつつも、柔軟に考えて対応することができる
新しいアイディアに対して心を開いていて、古いアプローチに固執していない
④利他的なサポーター(The Altruistic Supporter)
寄付者・支援者だけでなく、その周りの人達にまで心の底から関心を寄せられて、ケアできるファンドレイザー
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寄付者・支援者の人生に対してリスペクトと関心を持っている
好奇心旺盛に、寄付者・支援者に色々と話を聞いていくことができて、そのやり取りの詳細まで覚えていられる
寄付者・支援者の苦難に対して心配を示すことができる。(例:自組織の支援者が自然災害の被災地域に住んでいる場合など)
「仕事」ではありつつも、その寄付者・支援者に対して一人の人として関心を持つことができる
寄付者・支援者に対して、支援をお願いされるだけの関係にとどまらず、深い信頼関係を築けていると感じさせることができる
寄付者・支援者のケアのために、期待以上のことを行える
⑤社交的なコミュニケーター(The Sociable Communicator)
寄付者・支援者とのポジティブな交流を巧みに行うことができるファンドレイザー
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温かさと表現の豊かさのあるコミュニケーション力を活かし、情熱を持って、寄付者・支援者と接することができる
自然体で、心に余裕があり、寄付者・支援者に安心感を与えられる
寄付者・支援者に「自分を大切にしてくれている」と感じさせることができる
ただのタスクと捉えずに、寄付者・支援者に割く時間に「喜び」を見出すことができる
対話の相手に対して、自分自身の関心を最大限向けることができる
イベント等の場で、寄付者・支援者と会話する時間を確保する
寄付者・支援者それぞれがどのような対話を好むかを理解し、空気を読んみながら、対話を進めることができる
⑥高潔なシティズン(The Honourable Citizen)
一個人としての誠実さと倫理的な指針を兼ね備えたファンドレイザー
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自身の仕事において、強い倫理観とキャラクターを持っている
仕事においてだけでなく、日常生活においても頼られる存在である
寄付者・支援者が共感できるように自分の価値観を示すことができる(例:相手が家族を非常に大切であり、自分にも当てはまる場合、相手と心を通わせるためにその価値観を共有する)
寄付者・支援者に誤解を与えない
洗練された人物というよりも、親しみやすく、信頼できる人として振る舞うことができる
金銭的なリターンよりも、その寄付や支援が何を達成できるかにモチベーションを感じる
一組織の方針に単に従う以上に、自身の倫理基準に従って、社会課題に取り組んでいる
自分自身に対して正直であり、自身の過ちやミス、改善の余地に対して内省/反省することができる
オーストラリアのファンドレイザー達は何タイプが多かったのか?
結果は、下記の写真の通り。
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「社交的なコミュニケーター(The Sociable Communicator)」が最も多かったのは、個人的に、英語圏の人達のイメージに合う回答結果のように感じました。
日本人の場合は、他のタイプの方が多くなりそうな気がしていますが、果たして…
日本のファンドレイザー達は何タイプが多いのか(2024年4月12日追記)
日本のファンドレイジング・カンファレンスFRJ2024のオンデマンドセッションを出しており、そのアンケートで、自分が思うファンドレイザー・パーソナリティ・タイプを聞いてみました。
結果は下記の円グラフの通り。アンケート対象層や母数が限定的ではあるものの、日本のファンドレイザーの傾向を知る一つの「共有知」になれば幸いです。
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個人的にいくつか仮説を立てていましたが、日本人の一般的な性格から考えると「社交的なコミュニケーター」は少ないだろうという予想の通り、日本では2番目に少ない性格タイプでした。
「献身的なコラボレーター」「公正な仲介人」「利他的なサポーター」が多い傾向だったのは、日本の非営利分野に携わる人達の活動動機やパーソナリティを踏まえると納得できる回答の傾向のように感じました。
予想外だったのは、日豪両方で「テクニカルな熟練者」がもっとも少なかったこと。「ファンドレイジング」という一つの専門分野において、自分でこの性格タイプを選択するのは気が引けるのかもしれません。他者評価にもとづくアンケートを取ってみると、結果が変わりそうな気もしています。
ちなみに、FRJ2024会場でお会いした方々からは「一つのパーソナリティ・タイプに絞るのは難しかった」「自分に当てはまると思うものが無かった」というフィードバックをいただきました。なるほどと思わされる興味深いご意見でしたので、今後似たようなリサーチを行う際の参考にさせていただきたいと思います。
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