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3Dプリンターとお金の話

FDM式3D プリンターを購入して3年経った。およそ3万円で購入したこのマシンは得だったのか、損だったのか経済的な面の話をしてみようと思う。3Dプリンタでのビジネスを考えている人にも参考になるかもしれない。

得したところ①自作パーツでの修理

例えば扇風機のダイヤルが壊れたとき、このパーツをプリントして修理することができた。壁掛け扇風機は6000円ぐらいするので買い替え費用の6000円浮いたと考えることができる。

また、家の老朽化によってプラスチック製のドアノブが3つほど壊れた。ドアノブは錠とセットで売られており、家のドアノブと同じ型の製品は5000円ぐらいした。これを自作することでこの費用が浮いた。

得したところ②趣味のものづくり

趣味のラジコン用パーツを自作して楽しんだ。販売されていない独自のパーツを作成したほか、消耗品のドリフトタイヤを自作することで安く入手できるようになった。

損なところ・コストが意外とかかる

日用品などのプラスチック製品を自作すれば安く上がると思っている人は考え直したほうがいい。普通に100円ショップで買ったほうが安い。一番安いフィラメントを買ったとしても100円ショップの安さには敵わない。また、設計にかかる時間も考慮に入れなければならない。

樹脂製品の価格の安さは消費者も勿論知っている。3Dプリント製品はどうしても100円ショップの値段と比べられてしまう。100円ショップで売っているようなものを作っても利益が出ず、商売にならないということだ。

つまり、ビジネスであろうとなかろうと3Dプリンタを有効に使うためには『売ってないもの』を作らなくてはならない。これが意外に難しく、使い所に悩むことになるかもしれない。

3Dプリント製品を販売して成功している人は総じて設計技術以外に専門性を持っている人だ。例えば大道芸人の人がジャグリング用に重心バランスをカスタマイズ可能なボウリングピンを販売している例がある。このような特殊な用途の少量生産品において3Dプリントは有効になるのだ。

だが、経済性が全てではない。3Dプリンタで得られる自由はお金に代えがたいものがある。すべて趣味と割り切ってしまえば、お金を損しようと関係ない。作ること自体が楽しいのだから。僕は今、児童館のお祭りへ向けて3Dプリント製の玩具を設計中だ。ビジネスとしては成立しないものの、子どもたちが喜んでくれるのを楽しみに設計を続けている。この記事があなたの助けになれば幸いだ。



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