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2026年以降カーモデルが自由に作れなくなる可能性がある

自動車の3Dモデルが今後自由に作れなくなるかもしれない。
自動車の3Dモデルというと極めて限定的な範囲の話のようだが、実際はもう少し範囲の広い『意匠権』についての話になる。
先日このようなニュースが報道された。

生成AIによるデザインの網羅的な申請を防ぐためとされているが、メタバース上のデザインにも言及されており、それは3Dデータのデザインを指すものと思われる。

BOOTHでは僕や複数のユーザーによって実在の車をモデルにしたデータが販売されているが、そのビジネスにこの法律は直撃する可能性がある。

まず基本的な知識として、車のデザインは著作権では保護されない。実用品であること、アイデアや思想の表現ではないことから、車のデザインは意匠権によって保護される。

これまで、意匠権はコピー品の濫造を防ぐために運用されてきた。模型や、玩具は形が似ていても製品のジャンルが違うためコピー品に当たらず、規制の範囲に含まれなかった。

しかし近年、デザイン性の高い車(スーパーカーなど)において、玩具や模型、ゲーム上のデザインについても意匠を登録し、デザインを保護する動きが見られるようになっていた。

3DCGの車は立体的な情報を持つ『絵』であり、カーイラストと同様にこれまで規制されなかった。しかし、2026年に検討されているというこの法改正ではメタバース上のデザインにも意匠権を適用することが検討されているようなのだ。

僕の販売する自動車のデータでは商標によって保護される企業ロゴを削除し、同様に保護される車両の名称を変更して販売するという形を取っていた。しかし、2026年以降はこのような対処をしてもデータを販売できなくなる可能性がある。(意匠権には有効期間があり25年とされている。それ以前の製品には適用されないため新しい車が今後作れなくなる可能性がある)

3DCGはあくまで『絵』である。というのが僕の認識だ。好きな車があってもそのCGを作ることが許されない時代になるのだろうか。

権利を拡大したい企業の思惑が国を動かしているものと考えられる。今後の動向を注視したい。


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