【新たな始まり】
最後の投稿からおよそ2年、noteを書くのをしばらくお休みしていました。
というのも、この2年で人生の大きな転機を迎えていました。
これまで8年勤めた大学を辞め、福岡大学へ異動したのです。
剣道部の監督として新たに現場復帰も果たし、学内業務と部活動のコーチングに奔走し、必死になって1年間を過ごしてきました。
これまでの環境とは違ったやりがいを感じつつ、より強い選手の育成、学生の善い人格形成のために日々勉強しています。
私はまだまだ若輩者ではありますが、競技者として、また指導者として、現場での経験を積んできました。その中で、組織や個人を強化していくためには共通点があることに気付きました。今後はそれらを私自身の経験を踏まえて書き記します。
私は教育という現場でスポーツ(部活動)という分野から組織運営やコーチングについて考えていきますが、組織論やリーダーシップといった考え方は、ビジネスの分野や、人に何か影響を与えたいと思うすべての人の強みとなり得ますし、結果までのプロセスがより輝くものになると思います。
私がnoteに書き記す内容は決して共感を求めるものではなく、客観的視点と、私の経験を基にした考えであり、現在進行形で実践と改善を繰り返している内容となります。「絶対にこれが正しい」というものではありませんが、指導現場や人の上に立つ方のお役に少しでも貢献できれば幸いです。
是非ご一読いただき、これからの未来を担う若者が情愛に溢れた人材となるように皆様と意見交換等行いながらコーチング理論および組織論、リーダーシップについて考えていきたいと思います。
もし内容に共感いただいた時には、周りの方に情宣と共有をしていただき、様々なご意見などをお聞かせ頂けますと幸いです。
【新たな始まり】として、初回となる今回は「リーダー」について考えていきたいと思います。
以下、宜しくお願いします。
「リーダー」や「リーダーシップ」と聞くとどのようなイメージを持つでしょうか?
おそらく、大半の人が ”矢面に立って全体に指示を出し、みんなをまとめる” といったイメージを持つのではないでしょうか。
確かに、どのような組織においてもリーダーという ”肩書き” を持った人は矢面に立ち発言をしたり指示を出す場面が多いと言えます。しかし、本当のリーダーというのは ”周りに影響を与えることのできる者” であり、リーダーシップとは ”周りに影響を与える” ことを意味します。
良くも悪くもリーダーは存在し、「影響を与えれる力」を持つ者が社会や人のために貢献する方向にその力を向けることができるのであれば人や組織は成長し、犯罪など悪い方向へその力を向けてしまった時には負の連鎖が起こってしまいます。
まず、組織において最も重要なことは ”リーダー選び” です。
会社には社長から順に役員がおり、学校には学校長がおり、部活動には主将がおり、クラスには学級委員がいます。
大なり小なり組織には「リーダー」という”肩書き”で一番上に立つ人がおり、その人がどんな人かによって組織の色が大きく異なってきます。
私は部活動でコーチングに携わる人間として現在上の立場にありますが、指導する自分がどうあるべきかという戒めの気持ちを持ちながら日々知識をアップデートすることを心がけていますし、言葉に説得力と重みを生むために【率先垂範】を常に意識しています。
では、部活動(その他組織も然り)においてキャプテンを選ぶ時はどうでしょうか?
中学校から大学、社会人実業団チームでもおそらくキャプテンを決める際には重要視するのは以下の点であると思います。
組織内で抜きん出た実力
恥ずかしがらずに発言ができる
監督や先生など上の立場の人とコミュニケーションが取れる
指示に忠実
どれも必要なことはご理解いただけると思います。
しかし、先程にも記した通り、キャプテンを決めるということはその組織の色が決まるということであり、選択を誤ってしまえばその後の組織運営に大きな影響を及ぼしかねません。
ですが、多くの組織(特に中学や高校の部活動)では監督の一存で評価をしてしまい、役を決定してしまう場面が往々にして見受けられます。それは監督にとって遣いやすい人間をリーダーにすることで、自分の意見が浸透しやすいと思うからです。
そのようなリーダー選びは危険も含んでいることをご理解ください。
例えば、監督の前だけ良い顔をする選手がいたとします。練習に取り組む姿勢や実力などにもよりけりですが、きっと監督は「こいつがキャプテンをするべきだ!」と言うでしょう。しかし、心の距離が近い仲間内での普段見せる顔が監督の前で見せる顔と違っていたとしたらどうでしょうか?
あなたなら”ついて行こう”と思えるでしょうか?
もし行動を共にする仲間の信頼が得られていない者がキャプテンとなり、そのキャプテンが監督の指示に忠実で、それを仲間に伝えたとしてもパフォーマンスや運営機能は向上しないでしょう。
それは監督の指示であっても、伝える人間が誰なのかによって捉え方や感じ方は人それぞれ違うからです。
つまり「リーダーシップ」=「良い影響を周りに与える」とは
【人の心を動かす】ことであり、そこに競技の技術や実績などは関係ないのです。
キャプテンは競技者の集団の中で最も良い影響を与える者でなければならないですし、そのような人材配置は、監督の一存などではなく、縦、横、斜めと様々な角度から選手一人ひとりを理解し、決定することを注意しなければなりません。
逆に、競技の実力は多少劣るとしても、全体に必要なことを常に考え、上手くいかない者にも積極的に言葉掛けをし、積極的な取り組みを背中で示す者をリーダーにした方が、先の組織運営がスムーズになるだけでなく、全体の行動や一人ひとりの善い人格形成に寄与することは疑う余地もありません。
そのことを指導者は十分に理解しておかなければなりませんし、キャプテンは指導者の鏡であることも忘れてはなりません。
昨今のスポーツ現場では、競技志向にこだわるが余り実績や学歴が評価軸となってしまい、「勝ったものが偉い」「強い者が偉い」という考えから、人を見下したり、心無い言葉を投げ掛けたりする者がしばしば見受けられます。
大変残念ことではありますが、そのような考え方は近代の偏ったコーチングがもたらした弊害であり、これからの時代は今一度【人格形成】に立ち返り、教育やコーチングを見直していく必要があるのではないかと思います。
私は剣道を通して、これからの未来を担う若者の可能性を引き出せるリーダーを目指していきたいと思います。
次回は段階的なリーダーシップを効果的に現場に応用するための内容を考えていきたいと思います。
それでは!
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