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エリオグラビュール:コンテチーズと写真が繋ぐ奇跡の展示

コロナ禍でのファニーさんの作業は、予想以上に大きな影響を受けていました。版を作る際に手を守るための手袋、そしてゼラチンシートを扱う際に必要なアルコール。これらは医療分野に優先的に供給されるようになり、入手が非常に困難となっていました。また、外出禁止令によってインクなどの材料を買いに行きたくても、店舗が閉まっており補充ができません。厳しい状況の中でも作品は完成し、私がそれを受け取りに行く頃には、外出がいくらか容易になっていました。

コロちゃんが見守る中すべての作品にエディションナンバーとサインを書き込んだ

自宅に戻ると、作品のすべてにエディションとサインを入れ、準備を整えました。本来ならアトリエでサインをしながらファニーさんといろいろ話したいところですが、当時はそれも叶いませんでした。こうして、日本行きの準備が整いました。

無人に近い空港は異様な空間

ほぼ貸切状態の機内。まるで自分専用の空港かと思うほど、人影が少ない状況で日本へ入国しました。最初に出迎えたのは、自衛隊の迷彩服を着た担当者たち。彼らがPCRテストを実施していました。成田空港に到着するとと、フランスよりも深刻な空気を感じましたが、空港を出ると外出禁止令などが無い分、日本の方がどこか緩やかな雰囲気に感じられました。

展示は延期 ビューイングを開催した カルネを原版と並べた 残りの作品は一枚一枚参加してくださった方々にじっくりご覧いただいた

いつもと異なる状況で作品を持ち込み、日本に到着したものの、世の中は自粛ムードに包まれていました。ギャラリーも同様で、2020年5月に予定されていた展示は延期され、代わりに少人数でのビューイングに変更されました。Rooneeさんのおかげで、そのような状況下でも多くの方々に作品を見ていただき、作品についてお話しすることができました。素晴らしい企画となり、とても感謝しています。

そんな状況の中でもたくさんの方々にご覧いただきコンテチーズとエリオグラビュールの世界をごらんいただいた

そしてその年の12月、いよいよコンテ展が開かれました。日本ではあまり知られていないコンテチーズも持参し、作品を見ながら味わっていただきました。5月のビューイングが良いきっかけとなり、本当にたくさんの方々が訪れてくださいました。写真を撮る私、コンテチーズを撮ってほしいと依頼してきた熟成士のジャン=シャルル、そして写真を作品に仕上げてくれるフランス人間国宝の摺師ファニーさん。このプロジェクトは、Rooneeさんとの出会いをきっかけに動き出しました。さらに、Rooneeさんでの展示を通じて多くの方々と繋がり、このエリオグラビュールによるコンテ展は完成しました。

ようやく展示を行うことが出来た12月 自粛の時期はまだ続く中で入場制限するほどにご来場頂きました

これらコンテの作品をはじめエリオグラビュールの作品はRoonee 247 Fine Artsでご覧いただくことが出来ます。


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