洗い物をするのが苦痛なんです【コント】
「洗い物をするのが苦痛なんです。毎食毎食洗おうとは思うんですが、一向に片付きません。どうしたらいいでしょうか。何かコツを伝授してください」
「コツはですね、汁物を作ることです。汁物を加熱している間は、待ち時間ができますよね。この待っている時間って退屈ですよね。この時間で洗い物をするんです。どうでしょうか」
「なるほど!でもまず汁物用の鍋を洗うところから始めないといけません。そして私は洗い物が苦痛なので、どうせまた無気力になってしまいます。なーんにもできやしません。どうしたらいいでしょうか」
「ではこうお考えください。あなたは殺し屋に狙われていて、汁物用の鍋を洗わないと銃で撃たれて殺されてしまうんです。どうでしょうか」
「なるほど!でもその殺し屋の人が、銃刀法違反で捕まってしまわないか不安です。不安で夜も眠れません」
「じゃあ、睡眠薬を飲んだらいいと思います。どうでしょうか」
「なるほど!でも睡眠薬を飲もうにも、洗い物が片付いていないものですから、水を入れるコップがありません。どうしたらいいでしょうか」
「紙コップを使うのはどうでしょうか。買っておくと楽です」
「なるほど!でも外出したら私は銃で撃たれちゃうんですよね?不安で外出なんてできやしません」
「じゃあ、ネットで紙コップを注文してみたらどうでしょう」
「なるほど!でもネットで注文しようにも、やり方がサッパリわかりません。パソコンは苦手なんです」
「じゃあ、私がやり方を教えましょう」
「あの、大変申し上げにくいのですが、あいにくパソコンはおばあちゃんの家にありまして... おばあちゃんの家に行くべきでしょうか」
「では、そうしてください」
「でも外出したら銃で撃たれちゃいますよね?さっきの人に。不安で外出なんてできやしません」
「......もう食洗器をあなたに差し上げますから、それを使ってください」
「いいんですか!?ありがとうございます!あなたにはいつもお世話になってばかりですね。本当に頭が上がりません。汁物用の鍋も、睡眠薬を飲む用のコップもパソコンも、あなたから全部頂いたものです。感謝しています。
で、食洗器はどこですか?」
「今から買いに行くんですよ」
「えっ!お気を付けください!殺し屋の人に撃たれないよう用心してくださいね」
「撃たれないと思います。行ってまいります」
~1時間後~
「食洗器、買ってきましたよ」
「あ!ご無事で何よりでした。洗い物は見ての通り片付いていません。早くなんとかしてください」
「食洗器の段ボール、開けてください。ご自分で使う物なんですから、ご自分で開けてください」
「あの、大変申し上げにくいのですが、箱を開けて食洗器の説明を読んで設置して洗い物を食洗器の中に入れるのが面倒で苦痛です。どうしたらいいでしょうか。何かコツを伝授してください」
「コツはですね、汁物を作ることです。加熱している間は待ち時間ができますよね。この待っている時間って退屈ですよね。この時間で食洗器の箱を開けて説明を読んで設置して洗い物を食洗器の中に入れるんです。どうでしょうか」
「なるほど!でも間に合わないと思います」
「私もそう思いました」
「何かコツを伝授してください」
「ではこうお考え下さい。あなたはもう一人の殺し屋に狙われていて、食洗器の箱を開けて説明を読んで設置して洗い物を食洗器の中に入れないと、銃で撃たれて殺されてしまうんです。どうでしょうか」
「なるほど!でもその殺し屋の人が銃刀法違反で捕まってしまわないか不安です。不安で夜も眠れません」
「じゃあ睡眠薬を飲んだらいいと思います」
「睡眠薬を飲もうにも、洗い物が片付いていないですから水を入れるコップがありません」
「殺し屋の人に紙コップを買ってきてもらってもらえばいいと思います。いかがでしょうか」
「なるほど!でもその殺し屋の人が、もう一人の殺し屋に殺されてしまわないか不安です。不安で夜も眠れません」
「......もう紙コップをあなたに差し上げますから、それを使ってください」
「いいんですか!?ありがとうございます!あなたにはいつもお世話になってばかりですね。本当に頭が上がりません。汁物用の鍋も、睡眠薬を飲む用のコップもパソコンも食洗器も、あなたから全部頂いたものです。感謝しています。
で、紙コップはどこですか?」
「殺し屋に買いに行かせました」
~30分後~
「買ってきましたよ」
「あ!ご無事で何よりでした。私はこの通り不安で眠れません。早くなんとかしてください」
「紙コップの袋を開けて使ってください。ご自分で使う物なんですから、ご自分で開けてください」
「あの、大変申し上げにくいのですが、紙コップの袋を開けて使うのが苦痛です。どうしたらいいでしょうか。何かコツを伝授してください」
「殺しますよ」
「まず汁物用の鍋を洗おうと思います。コツを伝授してくださりありがとうございました」
noteを読んでいただきありがとうございます。よろしければ、暇なときなどにまた見に来てください。もし何か、考えたことなどがあれば、感想をお聞かせください。そこから少し、楽しいコミュニケーションが生まれたらうれしいです!