自己愛性人格障害?

「自己愛性人格障害」というキーワードに出会って、少しだけ嬉しくなった。闇の中に、ほんの少し光が灯されたような気分になった。

ぼく、先輩、上司の3人しかいない小さな部署。ぼくと先輩は、そこまで仕事ができる人間とは言えない。上司は仕事ができる(と評価する人が多い)。そのせいなのか「上司 対 先輩とぼく」という構図が出来上がっている。もちろん、先輩とぼくは自分たちのことを棚に上げたりはしない。改善できるところは改善しようと努めてきた。しかしそれでも、上司の接し方は変わることはなかった。ぼくたち二人は疲弊し、ぼくたちの心は、水分を失った人参のように黒く染まり萎れてしまった。

それでもぼくたちは希望を捨てず、上司から受けるダメージをなんとか最小限にしようと情報を集めた。ある日、「自己愛性人格障害」もしくは「自己愛性パーソナリティ障害」というキーワードに出会った。その説明を読んでみたら、見事にぼくたちの上司に当てはまったのだ。子どものときに読めなかった新聞の漢字が、読めるようになったような感覚を得た。

<以下引用>

「自己愛性パーソナリティ障害」の人が増えているそうです。ここ10年で2倍に増え、16人に1人があてはまるという調査結果が出ています。次のような人の振る舞いがすぐに思い浮かびます。
 ・自画自賛や自己陶酔
 ・自分に都合の良い思い込み
 ・独りよがり
 ・人の感情を理解しない
 ・他人へのけちくさいライバル視
 ・いじましい支配欲
 ・相手の欠点や弱点を見つけ出すことへの執念
 ・論点のずれた自己正当化
 ・他者を蔑視

 講談社BOOK倶楽部「【増殖中】自分大好き障害、16人に1人に。自己愛男女と付き合うには?」http://news.kodansha.co.jp/20170912_b01

<引用ここまで>

自己愛性パーソナリティ障害の人には、話し合いが通じない。さらに、その人を良い方向に導こうとすると、必ずと言っていいほど、傷を負う結果となる。だから、そんな人のもとで部下になってしまったら、異動か転職が得策だ。このように説明する記事は多い。

一般職・総合職の転職情報:jobcarri「職場の「自己愛性人格障害」を理解して被害を最小限に抑える方法」http://jobcarri.com/jikoai.html

転職することは決まったものの、退職日までの数か月間、上司の精神攻撃の嵐に耐え続ける気力はもうない。そしてやはり、どんな文章も、ぼくの心を癒してくれはしない。だからこそ、自分が読んだら安心するであろう文章を書き溜めておこうと決意した。そして、発想を転換してみた。彼の被害に遭えばあうほど、文章を書くネタになる。ある意味、彼から受ける精神攻撃は絶好のボーナスポイントだ。負の感情であっても、マイナスの絶対値が大きければ大きいほど、ぼくが書く文章は解像度を増すのではないか。我ながら素敵な思いつきだ。ぼくはnoteで書くことを決意した。

もちろん、彼を「自己愛性パーソナリティ障害だ」と決めつけるつもりはない。ただ、あまりにも特徴が当てはまりすぎているため、ひとつの事実として、文章に残しておく。

彼らのような人たちからの逃げ方を載せているページは多い。しかし、実際にどんなコミュニケーションを取られたのかを書いているページはあまり見受けられない印象だった。ひとつでも、苦しんでいる人の参考になればいいな、という小さな願いも込めてみようと思う。そして、インターンやアルバイトなどで、その会社に入ろうと目論んでいる人たちにも、ある種の警笛になればいいなと思う。こんな人がいたら、要注意。


★Episode1: 職場の人間3人だけの輪の中では、常に横柄

始業時、ぼくたちと顔を合わせても挨拶を返さない。相談したいことがあっても、非常に話しかけづらい。話しかけんなオーラを、これでもかというほど強く放っている。経費の精算をお願いしようとすると、不機嫌になる。気分ひとつで、過去に決めた約束が反故になる。貸したものを返していただきたいと丁重にお願いしても、怒ったような声色で、はぐらかされる。あと200個くらい例を挙げられる。


★Episode2: 外づらだけはいい

社外の人たちとやり取りをするとき、上司は信頼を勝ち取るのが非常にうまい。また、上司の上司がいるときは、性悪な部分を上手く隠す。そしてさわやかに話し、相手に好印象を与える。商談に必要なら、見た目のよい嘘をつくことも朝飯前だ。しかし、ぼくたち部下に対しては、仕事の不出来に腹がたっているのか、敵対視するようなコミュニケーションを取ることが多い。「俺はマネジメントについてめちゃくちゃ勉強してるからな?」と発言したことがある。だとしたら、読んだビジネス書になんて書いてあったのか見てみたい。


★Episode3: 入口は美しい。深入りすると地獄絵図。

ぼくはアルバイト時代に、これらのことを言われた。

「俺のもとで働いてたら圧倒的に成長できるから!」「部長にトモフミ子のことをめちゃくちゃ売り込んできたから!」「新しい部署に行ったら、マジ給料上げてもらえるよ」「新しい部署は田舎だけど、社用車は自由に使い放題だから安心して」

そして社員になり新たな部署へ行った。でも実際は違った。あなたのもとで働いてたら圧倒的に罵倒され、嘘か本当か分からない「売り込み」とやらは恩着せがましく引き合いに出され、マジ給料上がらず、自由に使っていいよと言われていたはずの社用車を使ってたら「お前なんで俺の許可無しに使ってんの?」と言われた。先輩も入社時に、「社用車自由に使えます」「いい待遇です」などなどを言われていたそうだが、例に漏れず、見事にぼくと同じような状態に陥った。かわいそう。

最初は必要以上に恩着せがましい発言をする。しかし、後になって善意ではなく、あくまで自分の見た目をよくするためなのだな、と気づく。本当に嘘が上手で困っている。


★Episode4: 自分の非は絶対に認めない;非など存在しない

上司は、指示が曖昧なことが多い。阿吽の呼吸で理解できるとでも思っているのだろうか、曖昧な指示ひとつで、彼の頭の中のイメージを伝えた気になっていることが多い。本当に多い。そのため毎回、指示の具体的な中身を聞き返すようにしている。しかし、毎度のことなのだが、後から必ず条件が付けくわえられる。そして「ひと言もそういう風に仰っていませんでしたよね...?」と確認すると「いや俺、絶対それ言ったから。お前いつも人の話聞かなすぎだよね」が返ってくる。「あれ、それ言ってなかったか、ごめん」とか、せめてもう少し、柔らかい言いかたをしてくれよ、と願ってしまう。後出しじゃんけんの名手である。オリンピックに後出しじゃんけんという競技があれば、間違いなく金メダル候補である。

今回紹介したエピソードは氷山の一角に過ぎない。何の役に立つかは分からないけれど、ぼくはこの体験をひとつのケースとして、淡々と書き連ねておきたい。被害に遭った当事者として、可能な限りではあるが心境も描写出来ればと思う。ネタの源泉に水が溜まってきたら、その2を書いてみようと思う。

トモフミ子

noteを読んでいただきありがとうございます。よろしければ、暇なときなどにまた見に来てください。もし何か、考えたことなどがあれば、感想をお聞かせください。そこから少し、楽しいコミュニケーションが生まれたらうれしいです!