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そこに帰る理由

5月2日から、連休を利用して地元広島に帰ってきた。

年末年始以来になるのでおおよそ4ヶ月ぶりになるだろうか。書く環境が違うことでどんな言葉が生まれてくるのか気になって、いそいそとバッグに詰め込んだパソコンを開いている。

窓際の席から見えるチンチン電車。帰ってくるたびに少しずつ様子を変えている(ような気がする)広島駅南口の改装工事。見慣れた制服姿の学生。たしか今日はホームでの試合はないはずだけど当たり前のように赤色のユニフォームを身に纏っているおじさん。西日が眩しいので、と店員さんが親切にブラインドを閉めてくれたけれど、ああ、帰ってきたんだなとしみじみと味わえる風景をもう少し眺めていたかったな、とも思う。

見渡せば、いたるところに赤色が散りばめられている


自分自身を取り巻く環境は日々目まぐるしく変わっているけれど、いつ帰ってきても“ここにある”故郷は、「おかえり」という言葉でじんわりと包んでくれる安心感がある。

帰省をするたびに、家族のことだとか将来のことだとか、頭を悩ませることは歳を重ねるごとに増えるばかり。それでもこの「おかえり」を感じたくて、また私はここに帰ってくるのだろう。

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