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ブラウンズ イギリスのアフタヌーンティー!世界初の電話がかけられた場所

 みなさま、こんにちは。今回はイギリスのロンドンにある老舗ホテル、ブラウンズをご紹介します。以前の記事に、コメントやスキをしてくださった方、本当にありがとうございます!とても嬉しかったです。


ブラウンズの概要と場所

 ブラウンズは1837年にジェームズ・ブラウンさんとサラ・ブラウンさんによって創業された5ツ星ホテルです。場所は地下鉄グリーンパーク駅から徒歩約5分、ロンドンの高級エリア、メイフェア―にあります。
 去年は185周年のお祝いもされ、ロンドンで最も古いホテルと言われています。

外観はジョージア様式

 外観の写真は、公式ホームページからお借りしました。外観はジョージア様式だそうです。この間からジョージア様式の建築ばかりご紹介している気がしますが、いかにこのデザインがイギリスでメジャーなのかよくわかりますね。笑

 ジョージア様式は18世紀に発達した建築様式で、縦長で外観が平面でシンプルなデザインが特徴です。ロンドンなど人口が多い街で、多くの人が住めるよう集合住宅として建てられていることが多いです。(同じジョージア建築のロイヤルクレセントについてはこちら)

玄関の内装

 玄関を抜けてみると、思ったよりもこじんまりした印象。華やかで派手というよりは、落ち着いたお洒落な内装。少し薄暗く、隠れ家のような雰囲気です。そしてそれにはちゃんと理由があり、のちほどご説明しますね。

ティールーム「The Drawing Room」

 さて、こちらが本日アフタヌーンティーをいただく、The Drawing Room (ザ・ドロウィング・ルーム)の入口です。落ち着いたダークブラウンの木の色が印象的な趣のあるデザイン。そして、天井がとってもおしゃれ!丸と四角の模様と、その中にある草のようなデザインがとても素敵。

 奥にはダイニングルームやバーがあって、結構奥行きがあります。
では、入室してみましょう!

 まあ、素敵~!イギリス感満載の雰囲気。左奥のアーチ状の通路がお洒落さを際立てていますね。あんな風に柱を利用するデザインが凝ってていいですね。木のぬくもりと対照的な鮮やかな椅子の色が空間を引き締めてくれていますね。

 ティーカップは緑の葉とピンクのお花で大人っぽいけれど、どこか可愛らしいデザイン。テーブルに飾られているお花と花瓶の色とマッチしています。

 この日は平日にも関わらず、アフタヌーンティーを召し上がる方でいっぱい。家族や大事な人とゆっくりと優雅な時間を楽しんでいる方が多い印象でした。右奥にはグランドピアノがあり、生演奏をしてくれます。とても贅沢な空間ですね。

天井のデザインと壁のイラスト

 天井のランプは昔ろうそくを刺して使っていたのかなあと観察したり。目があちこち動いてしまいます。笑 イギリスは天井の彫刻がデザイン豊富で、いつも上を見上げては眺めてしまいます。笑

 壁の絵はこんな感じです。竜とか剣など、なんだか力の象徴っぽい絵ですね。このお上品な空間にちょっとしたスパイス笑
戦争中には防空壕にもなったそうなので、もしかしたらそういった戦いの歴史のイメージも取り入れていたり、、。ここで、可愛らしいお花柄にしないあたり、何か意図があるのかなとデザインへのこだわりを感じました。

ブラウンズの歴史

 さて、ここで、メインのアフタヌーンティーをご紹介する前にブラウンズの歴史をご紹介します。食べ物だけ見たいわ!という方は、飛ばしてくださいね。笑

当初は紳士だけの隠れ家だった!

 冒頭にも書きました通り、ブラウンズホテルは今から185年前の1837年にジェームズ・ブラウンさんとサラ・ブラウンさんによって設立されました。
 2人は当時住宅街であった、この地区の一軒の家を購入し、その後3軒購入した後、ホテルへと改装しました。こじんまりとした印象のブラウンズですが、それもそのはず、ブラウンズは当初プライベートホテルとしてオープンされたのです。ターゲット層は田舎の紳士方で、お二人の知り合いか紹介状がないと宿泊できませんでした。

 その後、ヴィクトリア朝時代に増築された際も、プライベートな空間というポリシーは守り続けられました。今のような誰でも宿泊できるホテルになったのは、なんと20世紀後半になってからでした。大きなホテルが立ち並ぶロンドンにおいて、ブラウンズは古き良きイギリスの雰囲気を保ち、家庭的な暖かい空間を感じられる貴重な建物となっています。

まさに貴族の隠れ家!入口を入った雰囲気から、その様子がうかがえました。

最先端を取り入れたマーケティング

 ブラウンズは1860年にジェームズ・ジョン・フォードさんに引き継がれ、フォード家が所有します。その時代に、エレベーターが導入され、イギリスで最初のエレベーターのうちの一つとされています。また、ホテルに初めてダイニングルームを作ったのもブラウンズでした。それまでは、個室で食事をとっていたそうです。

 1948年には家族経営が終了し、2003年にイギリスの大手ホテルグループRocco Forte(ロッコフォルテ)が買収。そして、ブラウンズはまた家族経営に。この一つのホテルにも様々なドラマがあったよう。

ブラウンズを愛した偉人たち

 さて、さすが老舗といったところで、ブラウンズには数多くの著名人が滞在していました。

世界初!電話が掛けられた場所!

 最も有名なエピソードとして、電話の発明者アレクサンダー・グラハム・ベルが、初めて電話をかけたのがブラウンズホテルです。ええ!?すごい!!また目ん玉が飛び出そうでした!
 1876年にベルはホテルから当時の所有者フォード家へ世界初となる電話をかけました。まさに歴史的な瞬間の場所だったわけです。ちなみにベルさんはスコットランド出身だそうです。知らなかったので、スコットランドでどのような暮らしをしていたのか興味が湧きました。いつか調べてみたいです。

アガサ・クリスティーやアメリカ大統領も虜に

 また童話「ジャングルブック」の作者ラドヤード・キプリングはブラウンズ滞在中にジャングルブックを書きあげました。さらに、世界三大ミステリー小説家の一人、アガサ・クリスティーも滞在し、小説「バートラム・ホテルにて」は、ブラウンズが舞台となっています。

 政界では第27代アメリカ合衆国 大統領セオドア・ルーズベルトと第32代 アメリカ合衆国大統領フランクリン・ルーズベルトもブラウンズを好んでいました。また、ナポレオン3世やベルギーのエリザベート王女も宿泊、ギリシャ国亡命後の滞在先にもなっていました。

チャーチルが愛したマティーニ

 そして、イギリス第61代目首相ウィストン・チャーチルは、ブラウンズでお酒を飲むのが好きで、今でもメニューにはチャーチル・マティーニという彼の名前が付いたお酒があるそうです。

 歴史たっぷりなブラウンズ!!こんな場所でアフタヌーンティーをしていたとは震えますね。笑 数々の偉人たちに思いをはせながら、お茶をいただく、味わい深い体験ができそうです。

アフタヌーンティーの内容

さて、お待たせしました!いよいよメインのアフタヌーンティーの登場です。

 じゃじゃーん!きゃー!!素敵ー!!まずはサンドイッチが運ばれてきました。こちらは3人分です。1段が一人前で、お代わりができます!!ええ、幸せ。
 イギリスのホテルアフタヌーンティーでは、サンドイッチをお代わりできるところが多いです。食べ終わった後に、おかわりいる?と聞かれるので、欲しい方はぜひ!ただ、アフタヌーンティーはこの後にスコーンやケーキがでてくるので、かなり満腹になります。残った場合は持ち帰れるところが多いので、店員さんに箱がもらえるか聞いてみてくださいね。

 サンドイッチの色合いが綺麗ですよね。お皿もティーカップとお揃いです。具はきゅうり、ハム、えび、たまご、サーモンなどたくさん種類があり、お味はとても美味しかったです!あっさり目で日本人のお口にも合うかと思います。一つ一つ繊細なお味で、ゆっくり味わうのに最適でした。やっぱりアフタヌーンティーは大事な人と、ゆっくりお話ししながら食べるのが醍醐味です!

 さて、サンドイッチの次はスコーンとケーキが運ばれてきます。ちょっとスコーンが見えにくいのですが、真ん中の布にくるまれているのがスコーンです。赤ちゃんのおくるみみたいにくるまれよって、、かわいいやつよのお、、。
 ケーキは季節によってお味が変わるみたいですね。今回は秋だったので、いちじくがのっておりますー!

 おおおお~、か、かがやいておる。なんとまあ、つやつやしよって。
この光沢が高級感ありますねえ。いちじくの配置も色合いもとってもおしゃれです。この黄色いのはかぼちゃ味でしたかね、、(レモンだったかな)このブログは一応、建物中心なので食レポは詰めが甘く申し訳ありません。

 スコーンはほかほかでしっとり系。とっても美味しくいただけました!クロテッドクリームとジャムをつけて召し上がってくださいね。ケーキも、甘ったるくなく、フルーツの味がちゃんと感じられお上品なお味。海外によくある、うえ、あま~い!!といったものとは全く違い、一口サイズということもあり、さくっといただけました。

アフタヌーンティーの食べる順番は?

 ちなみにアフタヌーンティーの食べる順番はサンドイッチ→スコーン→ケーキですが、スコーンでおなかいっぱいになる友人を数多くみてきたので笑、スコーンを残してケーキ食べちゃっても全然大丈夫です。ちょっと偉い方と来たとか、格式の高い場でない限り、そこまで気にしなくて大丈夫かと思います。

紅茶の選び方

 お紅茶はたくさんある中から選べます。またお代わりもできますので、最初はお食事に合うもの(ブラックティー系)、次はデザートに合うもの(フレーバー系)と味を変えて楽しむのも、アフタヌーンティーの楽しみ方の一つです。迷う方は店員さんにおすすめを聞いてみたり、フィーリングで選んでも楽しそう。こういった場の店員さんはとても親切なので、とても丁寧に説明してくださいます。

実はヴィーガンメニューもある!

 今回はヴィーガンの友人と訪れたのですが、なんとブラウンズにはヴィーガン用アフタヌーンティーがあるので、1名分はそちらを注文しました。写真では全然見分けがつかないと思いますが、いかがでしょうか。ヴィーガン用もとても美味しかったそうなので、ヴィーガンの方にもおすすめです。

 今回は窓際のお席でした。春にきたら、とっても心地よさそう!

ブラウンズアフタヌーンティーのお値段は?

 さて、気になるお値段ですが、私が行ったときは1人75ポンド、サービスチャージを入れて約85ポンドでした。2023年現在のレートで約1万5000円です。なお、シャンペーンやワイン付きに変えると95ポンドや100ポンドなどお値段が変わります。

 たっ、たっか~!!と思ったそこのアナタ!!わかります、わかりますよその気持ち!ですが、ご紹介したブラウンズの歴史を見れば納得のお値段というか、むしろ訪れる価値あり!と私はおすすめしたいです。
 こんな偉人が愛した歴史的な建物でアフタヌーンティーをいただけるなんて、とってもいい経験です。世界で初めて電話がかけられた場所ですから、歴史的な価値の御場所代と、ホスピタリティー代と、ゆっくりお茶が楽しめる時間代、私は大満足で、気持ちよくお支払いできました!

あとがき

 あくまで個人的な意見ですが、ロンドンでいろいろなアフタヌーンティーに行きましたが、私の中でブラウンズはかなりお気に入りです。アンティークで落ち着いた居心地のいい雰囲気。ゆっくりと伝統的なアフタヌーンティーがしたい!という方にはおすすめです。

 もちろん他にも素敵なアフタヌーンティーはたくさんありますし、もっと安いところもたくさんありますので。ご自分が行きたいと思えるアフタヌーンティーを吟味されてくださいね。ロンドンの高級ホテルの平均は75~95ポンドかと思いますが、カジュアルなお店ですと25~30ポンド程度のお店もあります。

 もしロンドンに訪れることがあれば、ぜひアフタヌーンティーでゆっくり楽しいお時間を過ごしてくださいね。

 では、今日はここまででです。今年最後の記事になると思いますが、読んでくださり、誠にありがとうございました。来年もどうぞよろしくお願いいたします。また次回!


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