誰もが自分の内側にある思いに気付いて、幸せになってほしい
社会人になり、日常業務や職場の人間関係にもすっかり慣れてきた一方で、将来のキャリアを考えると、今のままでいいのかなと悩んでいませんか。筆者は、管理栄養士として病院で働き、充実した日常を送りながらも、ロールモデルが身近におらず、将来に対し不安を抱えていた1人です。
多彩な専門性と職歴を経て、SHElikes(※1)でライフコーチをされているNanaeさんは、行動力とバイタリティーにあふれ、まさにロールモデルといえる女性。Nanaeさんがライティングをする理由、さらに人生やキャリアで大切にされている思いについて、お話を伺いました。
Nanaeさんのプロフィール
兵庫県出身。フリーランス管理栄養士、ヨガインストラクター、ファイナンシャルプランナー等の専門知識と経験を活かし、ウェブサイトの記事執筆やスムージーの監修など、さまざまな分野で活躍中。コーチングを学んだ経験から、SHElikesではライフコーチを担当。
聞き手(筆者) Tomoe
神奈川県出身。管理栄養士として病院勤務、海外ボランティア経験を経て、留学生事業に携わる。現在、SHElikesでWebライティングを学び、会社員ライターを目指している。
※1 SHElikes(シーライクス) | 女性のためのキャリアスクール
【ライティングをする理由】ライティングは人生を豊かにすることができる手段
ーーNanaeさんにとって「ライティング」とは?
もともとライターになりたかったタイプではなく、自分が叶えたい人生の過ごし方の「手段」として、ライターをしています。在宅で空き時間に仕事ができることから、ライティングを始めました。
自分自身も読者にとっても、ライティングは人生を豊かにすることができる手段というイメージがあります。読者が新しい発見や価値観に気づいたり、人生の豊かさを手に入れることが出来たらいいなと思いながら書いてます。
ーーNanaeさんの発信を通じて届けたい相手は?
ー仕事では、クライアントのターゲットである読者層に向けて書いています。
頑張っている人やワクワクしている人が好きで、SHElikesにいるような人に届けたいという思いもあります。この記事を読んで良かったと思えるような役割ができたら嬉しいですね。
ーーNanaeさんの栄養・食に関する記事は根拠が分かりやすく書かれていて、正しく伝えたいという思いが感じられますが、ライティングの難しさを感じることは?
ー栄養指導の場合は直接お話するので、言葉のキャッチボールができますが、ライターの場合は一方的に読者に伝えるので、相手が何を知りたいのかは直接分かりません。正確に伝わっているのか、ニュアンスがこれでいいのかという難しさをいつも感じています。
特に栄養・食の情報は溢れているので、正しい情報を伝えられているのか、不安を抱えながら書いてます。
参照:Nanaeさんが執筆者として連載されているヨガのウェブサイト「yoganess」(株式会社ビジョナリー・ライズ)
【人生の転機とキャリア】人の縁や繋がりが私を育ててくれている
ーーNanaeさんの人生の転機は?
ー正直なところ、全ての行動を勢いでやってきたところがあります。転機は、新卒で就職した地元の信用金庫を辞めた時です。(一般的に)同じ会社で3年は働いた方が良いと言われますが、3年も人生無駄にしたくないと思いました。仕事を辞めることができた自分の行動力と、自分の思いを大切にして行動した最初の一歩が、人生の転機でした。
ーー学生時代に思い描いていた社会人生活と、人生の転機を経た後の自身の気持ちの変化は?
ー新卒で就職した時は安定志向で、土日休みが良いという理由で選んでいました。でも、社会人になって、安定もいいけど、もっと楽しみたい。もっと広い世界を見て、視野を広く持ちたいという気持ちの変化があったかもしれません。
ーーこれまで勢いで行動されてきたとのことでしたが、さまざまな異なる分野に挑戦するにあたり、Nanaeさんはその都度、ご自身で決断されてきたのではと思います。Nanaeさんのキャリアにとって、特に印象に残るきっかけや動機をお聞かせいただけますか?
ーヨガインストラクターになるために留学したときは、プライベートでつらいことがあり、当時は人を信じたくないと思えるほど、情緒不安定でした。このままでは自分を見失う、今の状況から離れたくて、海外に行くしかないと思いました。ヨガとハワイが好きで、同じタイミングで友人がハワイで婚活すると言ったので、私も行っちゃおうと思いました。
コーチングはやろうと思って始めたわけではなく、友人を通じて、コーチングスクールでヘルスケア講座をやってみないかとお声掛けいただいたことがきっかけでした。さらに、SHElikesでキャリアプランナーに応募し、(SHElikes受講者のコーチングを担当する)ライフコーチをしています。私の中では全部縁が重なってると感じます。チャレンジするきっかけを与えてもらいました。人の縁や繋がりが私を育ててくれるので、これからも大事にしたいと思います。
ーー新しい分野に挑戦する時は、不安になったり迷うことも多いと思うのですが、Nanaeさんは、勇気をもって挑戦し、実現させる行動力とバイタリティーがあって、素晴らしいです。
ーやらないで損したくないという思いが、自分の原動力になってます。やってみたいと思ったら、とりあえずやってみますね。
【資格・専門性の活かし方】資格はあくまで肩書。経験の掛け合わせ、人間性が大切
ーーNanaeさんと筆者は、管理栄養士という共通項があるので、栄養士のキャリアという視点でお話できたらと思います。最近、Twitter上でも栄養士×ライターなど、資格×○○(掛け算)のキャリアを選ぶ方が増えています。資格や専門性の活かし方について、Nanaeさんの思いをお話いただけますか。
ー「資格を持ってるからいいよね」と周りから言われるのが嫌です。資格を持ってるから仕事ができるわけではないと言いたいです。学校で習ったことをそのままやれば良いわけではなく、社会に出て、自分が経験して培ったものが、栄養士の仕事に活かされます。
栄養士×○○など、掛け算のキャリアを積まれている方々を応援したいですし、そういう人が増えてほしいと思ってます。やってきたことの掛け合わせ、人間性が大切です。栄養士はあくまで肩書で、それ以外の部分がベースになるべき、そういう思いでいます。
ーー社会のニーズと自分のやりたいことのギャップはありますか?
ー特定保健指導(※2)をやっていると、正解や、これさえやればOKというのを求められますね。SNSでバズった、○○を食べれば痩せるといった情報にギャップを感じます。ただ単に体重を落とせばいいというわけではなく、「(栄養指導を)受ける側の気持ち、求めるもの」が大事です。根本に、対象者の思いや願いがあるから、痩せようと思うのですよね。なぜ栄養指導を受けるのか、モチベーションや考え方が見い出せていれば、ギャップは埋まるのかなと思います。
※2 特定保健指導とは
40歳から74歳までを対象に、メタボリックシンドロームに着目した健康診断の結果から、生活習慣病の発症リスクが高く、生活習慣の改善による生活習慣病の予防効果が多く期待できる対象者に対し、保健師、管理栄養士などの専門職が生活習慣を見直すサポートをする事業。
(参照:厚生労働省 特定健診・特定保健指導について)
【Nanaeさんの伝えたい思い】対象者の思いやモチベーションを引き出して、幸せになってほしい
ーーNanaeさんは「指導しない管理栄養士を目指しています」とTwitterのプロフィールに書かれていますが、その思いに至った経緯について、最後に是非伺いたいです。
ー栄養指導では、一緒に正解を探したい、食生活を変えてどうなりたいのか、根本を見出していきたいという思いがあります。(栄養指導を)受ける側の内側にあるものを引き出して、幸せになってほしいです。だからこそコーチングをやってよかったと感じています。誰かに言われたから栄養指導に来ましたというスタンスの人が多いですが、自分を変えたくて、頑張っている人のほうが、私もできることがあると思えます。
編集後記
自分の人生を大切にしたいという気付き、やらないで損したくないという思いが、原動力になっていると語るNanaeさん。人との縁や繋がりを大切に行動されている様子や、真っ直ぐで芯が通っているNanaeさんの思いが魅力的で、周囲の人たちは自然とNanaeさんに惹かれ、応援したくなるのだろうと感じました。
肩書やらしさで決めつけたり、即効性のある答えを求めがちな世の中の傾向に対し、表面ではなく、人の内側にある思いを引き出したいというNanaeさんの願いは、Nanaeさんが執筆される記事、自身のキャリアやライフスタイルを通じて一貫されていると感じました。
人生を豊かにするための手段であるライティングを通して、1人でも多くの方々の根本にある思いと向き合い、生き方そのものにコミットできる関わり方を、筆者も模索したいと気付かされました。誰もが自分の人生を大切にし、根本にある願いに気づいて行動し、幸せになれる社会になってほしいと心から思います。
※SHElikesライターコースDay5の課題「受講生同士か身近な人の取材記事を執筆してみよう」(記事のテーマ:「私がライティングをしたい理由」)
をリライトした内容です。(2021年11月)
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