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#11 山中柚乃選手の2022年織田記念女子3000m障害レース雑感~たった1年で遠くに・・・

こんにちは。
先日、ゴールデンウィークの初日である2022年4月29日(祝・金)に広島市にあるエディオンスタジアムで開催された日本グランプリシリーズ 広島大会第56回織田幹雄記念国際陸上競技大会(織田記念)を現地で観戦してきました。

お目当ての選手は、女子3000m障害に出場した愛媛銀行の山中柚乃(愛称やまゆの)選手。

結果としては、最後の水濠直後で抜かされて、 9分54秒42 の3位でした。

観戦後は正直、悔しかったですね。
やまゆの選手、ご本人のnoteにも書いてある通り、9分30秒切りを本気で目指して、最初の1キロを3分11秒で入ることができました。しかし、その後、2キロ通過が6分28秒、残り2周弱は、陸上競技未経験の素人の私がみても、明らかにやまゆの選手の動きが止まってしまっているのがわかりました。

結果、9分30秒には遠く及ばず、そして、優勝もできない(2022年杭州アジア大会の日本代表も逃す)結果に。

具体的な改善点は、やまゆの選手がご自身のnoteに書かれているので、トレーニングは引き続き頑張ってくれると思います。

1週間ほどたって、私の中で何が悔しかったのかが分かりました。
やまゆの選手は積極的にチャレンジをして、それが失敗した際には、まだまだ日本人だけのレースでも1位を取ることができないという現実を見せつけられたこと、が悔しかったのだと思いました。

もっとも、持ちタイムだけをみれば、やまゆの選手が3000m障害の自己ベストが9分41秒84に対し、今回優勝した、やまゆの選手と同い年の大東文化大学の吉村怜美選手は9分41秒43と吉村選手のほうが上なんですよね。

吉村選手が昨年10月末に開催された杜の都女子駅伝の1区を走っている最中に転倒してケガをしたのでしょう。年末に開催された富士山女子駅伝は欠場し、織田記念の2週間弱ほど前に開催された日本学生個人選手権で3000m障害のレースで、ようやく復活したという感じでした。まだまだ本調子ではないのでしょう。

ただ、吉村選手が本調子でなかったとはいえ、最後の1週くらいまでは、吉村選手を圧倒的に引き離したレースをできていたのも事実です。

2月の福岡国際クロカン以降、「持ちタイムが上の選手相手でも積極的に自分でレースを仕掛ける」ということを意識して取り組んでいるやまゆの選手。ガス欠を起こした後でも、ある程度、まとめられるパワーがあれば、とも思いますが、それは今後の課題なのでしょう。

この記事を書くにあたって、昨年の織田記念のレースも見返しました。
やまゆの選手、吉村選手のデットヒートで展開された昨年の織田記念のレースを見返して、驚愕したことがあります。

1キロ通過が3分13秒、2キロ通過が6分38秒。

言い方悪いですが、去年も今年も同じ選手が走っているにも関わらず、去年のレースを見返すと「随分、ぬるいレースをしているなぁ」と感じてしまいました。

2021年の織田記念ではやまゆの選手も吉村選手も、ハナから「9分30秒を狙うなんて、自分たちには無理です」という感じでレースを展開していました。

もし、今の私がタイムマシーンにのって、去年のやまゆの選手に「来年のやまゆの選手は、同じ織田記念で本気で9分30秒切りを狙ってレースをしているよ」と伝えたら、「何言っているの、このオジサン」と本気で返されそうな感じなほど(笑)、去年の織田記念の時のやまゆの選手にとって9分30秒というタイムは非現実的な目標だったと思います。

思い返せば、去年の織田記念の時のやまゆの選手の目標は、あくまでも「パリオリンピック出場」でした。東京オリンピック出場ではなかったのです。9分30秒はおろか、9分40秒台の自己ベストすら出したことがありませんでした。

9分40秒台の自己ベストを出したことがない選手が、たった1年後、9分30秒切りを本気挑戦しにいき、失敗して、本気で悔しがった。

随分と遠い地点に1年でたどりつきましたね、やまゆの選手。
本当に素晴らしいな、と思います。

ただ、世界選手権やオリンピックで出場だけでなく、決勝大会進出、入賞、メダル、金メダル、とまだまだ先は長そうです。

だからこそ、今は、何度もチャレンジをして失敗してという、もがき苦しむことで、足固め・地固めをしなければいけない時間なのだと思います。次の遠い場所に到達するための準備期間ですね。

2年後のパリオリンピックで、世界を驚かせましょうね、やまゆの選手。

1928年アムステルダムオリンピックでの人見絹枝さん以来、96年ぶりに日本女子トラック種目でメダルを獲得できるように。

今度は、世界で「ジャパニーズシンデレラストーリー」と言ってもらえるように。

私はいつでも心からやまゆの選手のことを応援しています。
そして、何度でも、恐れずチャレンジし続けていくやまゆの選手を見守り続けていきます。

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