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オリパラが終わって

こんにちは。言語聴覚士で子どもの発達インスタラクターのタグチトモコです。
東京2020オリンピック、パラリンピックが閉幕しましたね。コロナ禍で1年延期したオリパラ。ようやく開催にこぎつけても賛否両論ある中開催された大会でした。


私は尊敬する澤田智弘さん(パラリンピック閉会式のコンセプト&企画もされた方)のことばをお借りすると根っからの「スポーツ弱者」。走るもの遅くて、ボール投げたり受け取ったり、かなづちで泳ぐことも苦手です。

スポーツ観戦にも興味がなく、「なんでみんなわざわざ苦労して丸いボールをゴールに入れないといけないんだろう…」と思ってしまうほど(すみません)

そんなスポーツへの関心が低い私と子どもたちがオリパラを通して変化したことを書きたいと思います。

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オリンピックを観るきっかけをくれた友人たち

スポーツに関心が低い私には、スポーツに関心が高すぎる大学時代の友達がいます。みんな私と同じ言語聴覚士さんですが、住んでる場所は大学卒業以降めったに会えないくらいバラバラ。でも何かあればグループラインでなんでも語りあえる友達です。

オリンピックが始まると、グループラインが盛んに動き出しました。

・明日はあの競技がある
・あの選手はこういう背景や苦労を乗り越えてこの舞台に立っている
・去年のあの試合ではこんなだった
・この選手はあの芸能人と交流がある

雑学王のようにLINE上で語る友達の話を聞いているとだんだんスポーツ弱者の私も興味が出てきて、友達とLINEで話しながらオリンピック観戦をするのが日常になっていました。

学生時代に戻ったかのようにみんなで一緒のことに夢中になり、「あースポーツ観戦っておもしろいかも」、と思えるようになり、たくさんのオリンピック競技を観戦しました。


パラリンピックを以前より楽しめるようになった理由

オリンピックの興奮冷めやらぬ中、パラリンピックが始まりました。パラリンピックはまたオリンピックと違う気持ちで夢中になりました。

私は以前短い期間ですが、視覚障害の方が通う盲学校で勤務した経験があります。その頃、根っからの「スポーツ弱者」であることをお伝えしていたにも関わらず「見てくれてるだけでいいから」と言われて運動部の顧問の一人になりました。


運動部ではパラ競技ではありませんが、「フロアバレー」と言う競技をメインに「サウンドテーブルテニス(STT)」「弱視卓球」などを中心に活動していました。「見てくれているだけでいいから」と言われたのに、ガッツリ参加して、案の定全く役には立てなかった訳ですが、障害者スポーツの面白さを知りました。

どの競技もルールが丁寧に作られていて、私たち晴眼者(目が見ている人)よりも全盲の方が機敏に動けて、どうやったらそんな風にできるのか教えていただくことばかり。得意を生かせ、みんなで楽しめるスポーツの楽しさを知りました。

そんな経験もあってパラ競技を見てルールを知り、その面白さを以前よりは感じることができた今回のパラリンピックでした。

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オリパラを通して感じた子どもたちの変化

私がオリパラを見ているので子どもたちも必然的に見る機会が増えました。

その中でこどもたちから

・難民選手団ってなに?
・ロシアって、なんでロシアオリンピック委員会なの?
・台湾はチャイニーズタイペイってなまえなの?
・日本の選手は病気や事故で障害を持った人が多いのに、他の国は鉄砲の弾 が目に当たって見えなくなったとか、地雷を踏んで歩けなくなったとかいう人が多いんだね

色んな話が出て、世界の国の情勢、どうしてそんなこと起きてしまうのかなど普段ではできない話をする機会ができました。

中2の息子が、「今でも戦争してるところがあるけどなんでかなと思ったけど、お互い正しいと思ってる情報が違ったり、それぞれの国にしか知らない事実とかがあって、【進撃の巨人】に似てる。お互い自分が正しいと思っている。」なんて語ったり

小3の娘も世界にはいろんな国があること色んなスポーツを知ったり、障害のある人たちのことを学ぶ機会になりました。


より身近に感じることができたパラリンピック

パラリンピックではこれまで以上に身近に感じることができるエピソードがいくつもありました。

まず開会式の聖火ランナーの一人を勤められた竹内昌彦先生。私が勤務していた盲学校の元教頭先生です。

一緒にお仕事をしたことはありませんが、時々盲学校に顔出して下さってその時には気さくにお話ししてくださって、とてもステキな方です。社会貢献事業にも積極的に取り組まれていて、講演会のお話を聞いたことがありますがとても勉強になりました。



東京オリンピックで男子400m 金メダル、男子1500m 金メダルを取られた佐藤友祈選手。

佐藤選手は岡山の方で、実は息子小学校の時に通っていた陸上クラブがあって、そのクラブはキッズやジュニアのクラスだけでなく、本格的な陸上をされているクラスや大人のクラス、自閉症クラス、車いす陸上クラスがあり、大きな競技場の中で一緒に練習をしていました。

その頃、車いす陸上のところに佐藤選手が来られていて、息子たちにメダルを触らせてもらった経験があったんです。

今回の佐藤選手の活躍を見て「あーこの人知ってる、メダル持ってきてくれた人だ」と何年も前のことなのにしっかり覚えていました。


他にも個人的にはパラの開会式閉会式でSNSでフォローしている障害を持ちながら活躍するアーティストやパフォーマーの方を見ることができてとってもうれしかったです♡


オリンピック以上にパラリンピックは身近に感じることができ、初めて知る競技もたくさんあってとてもおもしろかったです。


まだほんのり余韻を味わっていますが、友達とスポーツ観戦を楽しませてくれ、子どもたちと普段できないような話をする機会と感動を与えてくれたオリンピアン、パラリンピアンのみなさん、大会関係者やスタッフやボランティアのみなさんに感謝です。

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