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【サッカー育成の心理/物理学 Vol.6】インサイドキックのコツ

前回はインステップについて取り上げました。今回は「インサイドキック」です。

難易度はインステップよりも低いです。一方で、使用頻度はインステップよりも遥かに高く、重要性の高いキックです。

足の内側の側面で捉えるため、インサイドキックと呼ばれます。くるぶしよりも少し内側のイメージですが、広い面で捉えるので、正確性が高いのが特徴です。

ペナルティエリア内であれば、正確性を考慮し、インステップよりもインサイドキックを選択するケースがあります。

また、当たる面が広いので、上手くなってくるとボールを見ずに顔を上げて、蹴ることもできます。

気を付けるポイントを挙げていきます。ボールを当てるところは人によって違うので、一番蹴りやすいポイントを何度も練習して見つけるのが良いと思います。

・軸足の向き

ボールを飛ばす方向に対して、正面と言われています。まずは基本として、それができているかを見てあげてください。

恐らく正面に立つケースが多いと思いますので、自分の方にお子さんの軸足が向いているかがチェックポイントです。

・助走は無しで

最初は助走無し、ノーステップと言われる軸足を地面につけて、蹴ることで、軸足が正しく蹴る方向に向いた状態が作れます。

一本足になるため、バランスを取るのに苦労するかと思いますが、いずれ慣れます。

また、ノーステップで蹴ることにより、軸足とボールの距離を自分なりに見極めることに繋がります。

・足の振りはコンパクトに

大きなスイングをしなくとも、足の振りをコンパクトに早くすると同様に強いボールが蹴れます。また足の振りが早いので、相手に間合いを詰められる前に蹴ることが可能ですし、スイングが小さいので体がぶれずに正確性が上がります。恐らく20cm(足1つ分)程度のフォローバックで十分です。

・両足とも膝を軽く曲げる

膝を曲げた方がバランスが取りやすいです。よく始めたてのお子さんが両膝とも突っ張った状態で蹴ろうとしますが、それでは上手く蹴れません。

・手を使う

どうしても蹴るということで上半身の動きに意識がいかない傾向が強いです。ノーステップで蹴るからこそ、上半身の助けを意識した方が良いです。

腕を軽く広げ、肘を曲げるとバランスが取りやすく、かつ足だけで蹴らずに体全体を利用できます。これにより、足に集中する負担を分散させ、股関節などへの負荷を下げることができます。

・ボールは軸足の横ではなく、少し前

これもノーステップで蹴ることにより、ボールを置く位置(蹴りやすいところ)を知ることに繋がります。

・距離は短く

インステップと同じですが、距離は5mくらいで始めてください。短い距離がまっすぐ蹴れるというのがまずは目指すポイントです。

ここまでをまずは利き足で正面に対して正確に蹴ることができるようになることを目指してください。良かった時には、いいね!と伝えてあげると自分なりの消化が進むはずです。

インステップよりも難易度が低い分、インサイドはある程度、年齢が上がっても蹴れますので、焦らずにゆっくりで良いと思います。

基礎練習は非常に大切ですが、往々にして楽しくないので、短く時間を区切って、と言うのが理想です。

それでは、応用編を以下に記します。

・正面だけではなく、パスをもらう位置をずらす

正面対正面は比較的簡単と言えます。そのため、15度、30度くらい左右で角度をずらしてボールをうけてあげる工夫をしてみてください。

※雑なオブジェクトですが、イメージを記しておきます。

無題

・浮いてないか

インサイドで蹴ったボールはグラウンダーの軌道を描くのが理想です。浮いたボールの処理はグラウンダーのボールに比べて複雑性が高いため、早いボール回しに不向きです。ゴロですーっとボールが蹴れているかを見てあげてください。

・利き足がある程度できたら逆足に挑戦

前回も書きましたが、ドリブルでは、利き足を徹底することを信条としていますが、キックやトラップは両足の精度が高いに越したことはありません。

逆足は意識をして蹴らないと勝手には上手くなりませんし、子どもは得意なことだけに集中してしまいます。年齢が上がるほど苦手なことへの取り組みにはハードルが上がっていきます。

7(利き足):3(逆足)と考えており、利き足でしっかりと型ができていると反対の足の感覚が掴みやすそうです。なのでまずは利き足の精度を高める意識が重要です。

で、それがある程度できてきた(完成ではないとしても)段階で、逆足でもチャレンジへの移行をおすすめします。

躊躇せずに迷いなく逆足も振るためには、①利き足で型を作る②逆足を意識的に使うことを促し、チャレンジを励ます③苦手意識が克服されてきたら、頻度を上げるというステップだと思います。

ちなみに箸の例にはなりますが、「頭がよくなる運動教室 オリンピック子育て論」(著:吉松俊一)という書籍によると『左利きの子を、右手で箸やエンピツを持つように矯正するのは小学2~3年生までが限度で、それを過ぎてからの矯正は相当の努力が必要とされています』。

足も同様と考えていますし、手ほど頻繁に細かい動作を要求しない部位ですので、繊細な感覚を養うのは子どもが小さい時が望ましいというのが私の感想です。

インステップよりも難しくはないのですが、頻度が高いからこそ、意識して取り組んでほしいと思います!

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