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【息子のサッカーを見て、見えてきたこと Vol.103】いくつかの全国大会を見て思ったこと

こんにちは!

夏は全国大会真っ盛りでしたね。サッカーに限らず、インターハイや甲子園と他の競技でも全国大会が開催されていました。

ネット配信の普及により、昔よりも簡単に全国大会を見ることができるようになりました。

僕が見たのは以下の通りです。
①U18クラブユース選手権(主に準決勝、決勝)
②U15クラブユース選手権(ベスト32以降の数試合)
③インターハイ決勝(昌平対神村学園)
④U18フットサル全日本選手権(準決勝、決勝)

U18のクラブユース並びにインターハイは非常に暑い中での試合で、大変そうでした。U18の準決勝は現地で見ましたが、夕方でも温度、湿度ともに高く、どうしても消耗する中でのゲームでした。

インターハイも今年からJビレッジとのことですが、日中(10時、12時)のゲームのため、高温多湿で過酷な環境であったと思います。

一方でフットサルは室内ですし、U15のクラブユース選手権は北海道での開催だったので、U18の環境に比べれば幾分かましだったのではと推測します。

昨今は夏の北海道でも高温になっていますが、本州や四国・九州と比較すれば過ごしやすいのではないでしょうか。

さて、①~④についてざっと所感を述べたいと思います。

①U18クラブユース選手権

決勝戦は雷雨の影響で、40分1本勝負という超変則的なゲームになりました。結果ガンバ大阪が3-2で川崎フロンターレを破っています。

一番のポイントはこの中から来年(または現時点含めて)、どれだけの選手がトップチームで試合に絡めるか。

最近、JリーグのYoutubeチャンネルで野々村チェアマンと芸人のワッキーさんが語っているのを見ましたが、18~21歳の育成においてJクラブはどうしても苦戦しています。

大学経由で戻る例もありますが、大学に行った時点(理論上、プロ契約を結んでいなければアカデミー所属であっても)で基本的には契約など縛りはなくなるので、どこのクラブに行くことが可能です。昨今、非常に多くの日本人選手がヨーロッパのクラブに所属していますが、アマチュア選手の方がヨーロッパのクラブにとってはより安価に獲得可能です。

つまり、U-18のJクラブ所属のアカデミーの選手はこの時点でどれだけトップの試合に絡めているかが評価ポイントだと捉えた方が良いのではないでしょうか。

Jクラブの中では代表選手を輩出している両アカデミーですが、フロンターレのU-18出身選手を見るとここ数年は苦戦している印象を受けます。

高井選手はパリオリンピックにも出場し、フロンターレでもコンスタントに試合に出るようになっていますが、高校からプロ契約したアカデミー出身選手のうち、彼以外は苦戦しています。

8月17日第27節、横浜Fマリノス戦において、ベンチメンバー18人のうちアカデミー出身の高卒は高井選手だけという状態です(大学経由を合わせると、早坂選手、脇坂選手、山田選手)。

U18から土屋選手のトップ昇格が既に発表されていますが、彼がどういった足跡をプロのキャリアで辿っていくのか、注目しています。試合を見た限りは非常に良い選手でした。

②U15クラブユース選手権

Youtubeで試合を見ていましたが、レベルの高さを感じました。

川崎フロンターレ生田が優勝しましたが、FC岐阜は準決勝(FC東京むさしにPK勝ち)、決勝ともに彼らが標榜するスタイルで果敢に挑み、東海地方のクラブで名古屋グランパス以外にも存在感を発揮しそうです。彼らがそのままユースに上がり、高校生でプロデビューすることを楽しみにしたいと思います!

出場したチームのうち、昌平高校に関連するFC LAVIDAはベスト8でFC東京むさしに負けてしまいましたが、個々の能力が非常に高かったです。

また、ベスト4で敗れた横河武蔵野も横浜Fマリノスに勝ったり、フロンターレ生田と接戦を演じたりと街クラブですが、面白かったです。

横河武蔵野ですが、先発している選手の体型がしっかりしている選手が多いのが印象的でした。それでいて技術や戦術理解度が高く、躍進した理由が伺えます。

FC LAVIDAは8月時点で関東U-15 1部リーグで首位、横河武蔵野は2部Bリーグで2位と結果を残しています。

特にFC LAVIDAは他のJ超強豪アカデミーを蹴散らして、首位に立っており、次のインターハイに関するポイントに繋がってきます。

横浜Fマリノス、FC東京むさし、横浜FCを見ていると巧いのですが、物足りなさを感じました。

③インターハイ

埼玉県の昌平高校が見事に全国大会初優勝を成し遂げました。元Jリーガーの玉田さんが監督をつとめています。

玉田さんと言えば、2006年ワールドカップの対ブラジル戦でセンセーショナルなゴールをあげましたが、昌平高校の今の選手たちは高校3年生だと2006年生まれなので、まさにその年に生まれた子たちのようです。

さて、今年のインターハイですがベスト8は
・静岡学園(プレミアW7位)-神村学園(プレミアW9位)
・市立船橋(プレミアE12位)-米子北(プレミアW11位)
・帝京長岡(プレミアW5位)-青森山田(プレミアE7位)
・昌平(プレミアE6位)-桐光学園(プリンス関東2部5位)
※プレミアE:イースト、W:ウエスト(順位は8月時点)
という学校でした。

桐光学園を除き、全てプレミア勢、そして彼らはJのアカデミーと互角の戦いを演じています。

昨年、新たな流れと書きましたが、こうした超強豪校(ここに大津高校、前橋育英高校)がこの年代を引き続きリードしていく流れと感じます。

さらにこれらの学校の共通項としては、高校年代だけでなく中学(またはU15のクラブチーム)から強化を図り、結果に繋げています。

上述した通り既にFC LAVIDAは関東でトップクラスに位置しています。

彼らの強みはU18における進路と言えます。Jのクラブに行きたい選手、大学で鍛えたい選手、海外にダイレクトで行きたい選手と本人(とその保護者)の希望に沿った意思決定ができます。Jのクラブもいきなりビッグクラブに行くのではなく、J2やJ3において、自分が即戦力となり試合に絡める(ただそれは簡単なことではないですが)という事情を加味することができます。

どうしてもJのビッグクラブに入った後に、高卒で試合に出られず、レンタル移籍になってしまうと大人の事情が絡んでしまいます。

高校の進路選択としてJか高体連かという議論がありましたが、今後はそれが中学における進路選択に直結する流れになりそうです。

※我が国のフットボールの進路選択は直線的であり、かつ流動性が低い点が課題と言え、11歳や12歳の未来は本来は分からないと言うのが正直なところで、あまり枠に嵌めてしまうのは、いかがなものかと個人的には思っています

④U18フットサル全日本選手権

今年の夏は非常に暑かったですが、基本これが日本の夏のデフォルトと捉えた方が良さそうです。

ただ、フットサルであれば、本来は体育館の室内であり、かつ空調が効いているので、プレーしやすい環境と言えます。

我が家では夏はあまり外でサッカーをせず、空調の効いた室内でのフットサルを主眼においていました。

フットサルの高校生年代の全国大会をJFAのアプリで視聴しました。

そこはFリーグのアカデミーと高体連のフットサル(サッカー部?)とが参加し、この年代のチャンピオンを決めます。

準決勝に残ったのはFリーグ勢がフウガドールすみだ(ファルコンズ)、バルドラール浦安(テルセーロ)、高体連が佐賀東、帝京長岡でした。

準決勝はFリーグ対高体連(フウガ対佐賀東、浦安対帝京長岡)という対戦で、まさにフットサル対サッカーの違いを感じさせる試合でした。

小学校年代ですと、フットサルメインのチームは足裏を駆使しますが、サッカーの子たちはあまり使わない印象を受けます(私がU9でやっているレベルですが)。

高校年代ですとその違いはなく、サッカーの子たちも足裏を駆使しています。違いはフットサルの複雑な戦術理解だと感じました。

ここの差によって、フィジカルが多少劣るように感じる(私見です)Fリーグ勢が高体連のチームを支配していました。

決勝はフウガ対浦安のFリーグ対決でしたが、よりフットサル戦術の理解度が高いフウガが浦安に勝利しました。

普段、Fリーグの大人の試合を見ていると、フットサル対フットサルなので、お互いが戦術を駆使しますが、フットサル対サッカーはこの様な展開になるんだと学ぶ機会に繋がり、よりフットサルの奥深さを感じるとともに、子どもたち(U9、ほぼ全員がサッカーメイン)にどの様に落とし込むのが良いのか、新たな悩みの種が生まれました。

この様に全国大会を堪能しましたが、改めてこの災害級とも言える暑い夏(そしてそれがデフォルト)において、過酷な連戦をする意義、ならびにトーナメントであるが故のサッカーの仕方を感じる機会となりました。

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