【息子のサッカーを見て、見えてきたこと Vol.54】デゼルビ戦術に対する考察「弱点編」
こんにちは!
前回はデゼルビ監督の戦術の特徴を挙げました。
特徴としては、
①GKを使った、パス回し
②CBのボールの持ち方
③ミスの少ないパス回し
④ネガティブトランジションのレベルの高さ
2点、記載を忘れたことがありました。
⑤前を向いた選手を上手く使う
サッカーで前を向くことは重要だと考えていましたが、デゼルビ監督のサッカーを見ていると、無理に前を向いて取られるのではなく、自然な形で前を向くのが重要であるということ。
自然な形で前を向く工夫として、
(a)簡単に前を向けそうなフリーの選手を使う
(b)前にいる後ろ向きの選手にボールを当てて、落とすことで前を向いた選手を使う(イングランドではレイオフと呼ばれる動き)
の2点が挙げられます。
ボールを回していると、(a)の様なケースが発生します。相手がリスクを冒して、ボールを取りに来ているからこそ、どこかでフリーの選手が生まれる、フリーの選手を生み出すためのボール回しを高速でしていると感じます。
次に(b)ですが、これがデゼルビ監督のボール回しの特徴の一つです。すこし後方のビルドアップで詰まったとしても、前線の選手に上手く当てて、前を向いた選手に落としています。
この件について、Number1075号に三笘選手のインタビューに記事が載っていました。
またこうも語っています。
⑥カウンターの迫力
基本的には、ボールを保持して、相手陣内に押し込んだ状態で試合を進めるケースが多いブライトンですが、ボールを取った瞬間に素早い攻めに反転するケースも多いです。
足の速い選手を前線に揃えており、一気に5人が攻め上がります。1人がボールを持ち、ペナルティーエリアの中に4人が入ってくるというシーンを何度も見かけます。
ポゼッションを標榜しながらも、手数を掛けない素早い攻めという手段も持っています。但しその際には成功確率の高いドリブルや正確性の高いパスで攻め切ります。
さて、それでは弱点を見ていきたいと思います。
弱点は、
(A)ビルドアップの際に、サイドバックが高い位置を取るため、CBの外のスペースが広大に空いてしまい、そこを突かれる
(B)GKからのビルドアップでのミスやボール奪取により、相手にとって高い位置から攻撃が開始される
という2点です。
これはポゼッションを行うチームの宿命と言えそうです。
昨季の得点は72点で、リーグ4位ですが、失点は53点で、リーグの下から10番と言う成績でした。
ちなみに70%のポゼッションを記録した際の結果は2勝3分3敗と分が悪いという記録も残っています。
一方、プレミアのビッグ6と呼ばれるビッグクラブとの対戦(1節のマンチェスターユナイテッド戦は前監督のため、カウントしてません)11試合では5勝2分4敗とかなり善戦しました。この11試合のポゼッションは平均55%。昨季の就任後の全試合が62%なので、ビッグ6とはボールは保持するものの、相手も一定の保持率がある状態です。
つまり、べたっと引いた相手の攻略に苦戦し、そこから両CBのサイドのスペースを突かれると弱さを露呈してしまいます。
さらに先制点を取られてしまうと、相手が守備を自陣で固め、ブライトンの保持率は高いものの、ブロックの外で回している状態が続きます。その際、ミスなどでカウンターを受け、失点を重ねるという試合も目立ちます。
ブレントフォード戦では相手がブライトンのゴールキックに対して、4枚のプレッシャーをかけるという場面も見られました。
高い位置で奪って、一気にゴールを目指す作戦です。それがダメだったら、リトリートして後ろで構える。
三笘選手は狭いスペースですと、1人目は抜けても2人目にカバーされてしまいます。
この時、シティの様に、デブライネ選手やロドリ選手のような、ミドルシュートを打てる人材が必要と言えます。
直接入らなかったとしても、ディフレクションの発生や、オウンゴールなど、アクシデントが発生することも期待できます。
弱点を挙げましたが、魅力的なサッカーの展開は観る者を強く惹き付けます。今シーズンはデゼルビ監督に注目して、見ていきたいと思います!!