【息子のサッカーを見て、見えてきたこと Vol.91】グアルディオラの哲学
こんにちは!
今シーズン(ヨーロッパカレンダー)もたくさん試合を見ましたが、一番興味深い試合だったのは、CLリーグの準々決勝「マンチェスターシティ対レアルマドリード」です。
最強の2チームが準々決勝で雌雄を決しました。
お互い圧倒的な攻撃力でリーグを牽引するチーム同士であり、いわば鉾対鉾。1戦目(レアルマドリードのホーム)では3-3だったので、どの様な試合になるか注目していました。
結果は皆さんご存知だと思いますが、1-1のPK決着でレアルマドリードが勝ち上がりました。
但し、ボール支配率はシティが64%、シュート数もシティが34に対して、レアルは8本、コーナーもシティが18本でレアルが1本と衝撃的な内容でシティが圧倒していました。
ここまでボールを支配されるレアルは滅多に見ることはないです(メッシ全盛期のバルセロナくらいでしょうか)。
ただ、スター選手を多く揃えるレアルにおいて、5-4-1(または5-3-2)の守備ブロックをペナルティエリアの前で築くことを徹底させるアンチェロッティの凄みを感じた一戦でもあります。
一方で、やはり世界最高の監督はグアルディオラだなと感じますし、グアルディオラが現在のボールを圧倒的に保持するサッカー(レバークーゼンのシャビ・アロンソはバイエルン時代の選手ですし、ブライトンのデゼルビもグアルディオラに大きな影響を受けたと語っています)を築き上げたと言えます。
本日は前置きが長くなりましたが、過去のグアルディオラ(以下ペップ)に関する著作から、彼の哲学を覗いていきます。
『ペップ・グアルディオラ キミにすべてを語ろう』著者:マルティ パラルナウ
これはペップが選手に語った言葉です。ちなみに先述した試合ではシティが154.3km、レアルが147.6kmというチームの走行距離です。
ちなみに総距離が長い順番で、ベルナルドシウバの15.93km、フォーデンの15.87km、ロドリの15.52kmとなっており、その次がレアルのカマヴィンガで15.11kmです。
中盤より前の選手に運動量を求めたフットボールを好んでいることが分かります。
先述した試合を見ていて感じたのは、相手陣内深く(ペナルティエリア付近)に入った後、相手ボールになっても即時回収をするシーンです。これにより、相手に取っては常に攻められているように感じます。
奪い取るよりも、前線に蹴らせて回収し、素早く攻撃に展開するというのは幾度も見たシーンでした。
守備のオーガナイズ、守備戦術に重きを置いていると言うのは、結果的に攻撃する時間を長くするために実行しているのだと感じます。
ペップのシティを見ていると、ピッチの中央から攻撃をスタートさせ、サイドにボールを入れるのはアタッキングサードという印象があります。
そこで、サイドのウイングの選手が1対1を仕掛けるか、インナーラップでポケットを取る。まさにペップが現代のサッカーを牽引していることを象徴するシーンです。
但し、常に中央の攻撃を意識していますし、もっと言えば一番効率が良いのはGKからの一本のロングパスであるという信念も感じさせます。
よほど嫌いなんですね(苦笑)。
我々一般の人間が抱いているティキタカのイメージとペップのそれとは全く違い、ペップは一般に考えられているティキタカではない別の概念を保持しているのでしょう。
ただ、先述したレアルとの試合のスタッツでもシティは865本のパス(正確性は93%)に対して、レアルは402本のパス(正確性は85%)でした。
細かいパスを繋いで(だからこそミスが少ないと言うのは正確性が物語っています)、相手のゴール前に迫っているのは間違いないですし、人々がそれをティキタカ(少し死語ですが)と捉えても仕方ないと感じます。
この辺の秘密はRONDSチャンネルの清澤さんがよく語っています。
いかがでしょうか。この書籍の半分くらいまで紹介していますので、もしご興味あれば是非お読みください!
非常に興味深い内容の本なので、またそのうち、続きを書きたいなと思います。
P.S.
先述した試合の解説動画を前興国高校監督の内野さんがアップされてました。中々面白いので、興味があれば、ぜひ!
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