ともべ幼稚園の運動会は、なぜ秋?
最近の傾向を見ますと、運動会を春に行うところが多くなっているようです。
いろいろな園や学校でそれぞれの事情や方針がありますので、一概にどれが正解といったことは言えないと思っています。
決して他園批判でなく、ともべ幼稚園ではなぜ運動会を秋に行うかということをご説明いたします。
ともべ幼稚園では、行事ということを、園児たちの成長を促す大切な道具の一つと考えています。その中でも、運動会、ごっこ遊び・作品展、おゆうぎ会は「三大行事」として、とても大切な流れを作っています。
特に運動会は、三大行事のなかで一番初めに来る行事でもあり、入園したばかりの年少さんなどにとっては、集団ということを意識して行うきっかけにもなる活動です。
4月5月は、入園したばかりの園児にとって大切なのは、幼稚園という場所に慣れるということです。初めてくる場所の中で、自分に居場所を作ること、そして、その後続く園生活を安定したものにしていくこと、それが一番の教育目標となります。
その期間を経て、幼稚園は安全な場所なんだ、楽しい場所なんだ、自分がいてもいい場所なんだということを認識し、集団生活へ入っていきます。
実際に、集団生活に慣れている年長さんなどは、すでに5月の時点から鼓笛隊に練習を始めていますが、年少さんはこれからです。クラス替えを行った年中さんも、新しいクラスに慣れた後、運動会の練習に移っていくことになります。
このような流れで幼児教育を行っているともべ幼稚園で、春に運動会を行としたらどうでしょうか。
私は、三大行事など子どもたちが活動の主体となって練習する行事は、行事の当日までの活動で目的の9割を達成すると思っています。当日、素晴らしい園児や競技を見せることよりも、それまでに準備し、練習してきたことのほうにより多くの教育的効果があると思っています。
春開催の運動会では、その期間が実質1月ちょっとしかとれません。環境に慣れない園児たちに、環境に慣れさせることをする前に、いきなり運動会の活動に入ることは酷だと思いますし、教育的効果は望めません。
秋の運動会にすることで、入園進級当初は環境に慣れることを第一とし、その後に子どもたちの余裕をもって運動会の活動に入ることが、教育的効果を高めると思っています。
以上の理由で、たとえ世間のトレンドが春の運動会になったとしても、ともべ幼稚園では運動会を秋に行っているのです。
逆に、春に運動会を行うところはどのような考え方なのでしょうか。
私が聞いたところですと、運動会の目的を子供の成長を促すための教育的効果というよりも、保護者参観という考え方をするところが多いようです。普段の保育の延長を見てもらうということです。
そのようなところは、運動会以外に教育のために力を入れているところがあるのだとおもいます。そう考えると、いろいろとそのほかの行事が多い秋よりも、春に行った方が余裕があっていいという考え方もうなずけます。
最初に申しましたが、行事や教育カリキュラムに関する考え方は各園、各学校によって違います。春に運動会を行うところは、それぞれの実情に合わせて春に行っているのだと思います。決して批判するものではありませんので、ご了承ください。
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