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バス随想3

電車のドアが開いたら、降りる人を先に通す、というのは、理にかなったルールである。
色々な理を、並べられると思うが私は一つだけ確実なものを挙げたい。
電車の中には病院がない。薬もなければ救急ボックスもない。故にそこから出られなかったために死ぬ人が出てくる可能性がある。逆は、まずない。

今日、なんば駅で体格の良い若者が、電車を降りる私を押しのけて乗車しようとしたので、私は手のひらを彼の目の前に出して、「are you sure?」と適当な英語を話した。彼は足元を見ていた。

私は電車を降りてから彼のことを忘れていた。
先ほどバスに乗った時に思い出した。
モテそうだが微妙にモテないという顔だった。

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