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8月9日随想

◎8月9日。長崎原爆の日に。
昔父が働いていた、とある学校の、上空あたりを見ながら、ベンチに座っている。上空の雲はオレンジ色とピンク色の中間の色をしている。酒のやまやの屋根が見える。
今、気付いたが目の前の地面、手すりの下に、サッポロ黒ラベルの空き缶が落ちている。星がこちらを向いている。右から風が来る。

この辺には以前は多分SSOK(問屋のような小売店)しかなかった。今では図書館や大学や、劇場(劇場?)があり、やまやもあり、若い人が多い。しかしこの、私が今いるベンチのあるところは、ふしぎな場所で、やまやしか見えないし、どこへ通じる道があるわけでもないので、人が全然来ない。

長崎原爆の日に、何も書けることがない。その、いわゆる、ふさわしい感じのことを。
昔はスムースに、悲しいとか、そういう言葉が出てきたものだ。 さだまさしの「広島の空」などを聴いて、なんとなく気分がととのったものだった。が、33才になって、何か、そういう自分にとって昔ながらの悲しみ方をする事が、どうなのかなあという気がする。むろん私がナントカ論者やナントカ論者に変ぼうしたということではないと思うけれど。
とりあえず、自分で調べて、考えて、ということを、やらねばならんとは思う。
今は2024年で、2004年ではない。
暗くなってきた。帰る。

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