見出し画像

「”家族のため”に家事する人ほど苦しくなる理由」への解答結果

先日、「家族のため、に家事をする人ほど苦しくなるのでは?」という問を投げかけたところ、たくさんの方からご意見をいただきました。

他にも、メルマガで意見を求めたところ10件ほどのご回答をいただきました。ご意見くださったみなさま、ありがとうございます!

▶ 色んな意見をうけてみて

共感の意見をいただく一方で、「家族の状況によるんじゃないか」という意見もいただきました。

たとえば、お子さんが不登校で大変だったり、障害児のご家庭もおられるし、ご家族が強いアレルギーをお持ちのことも、介護に疲れてしまっている場合だってある。そうした様々な場合においてどうしても「自分のため」と視点を変えて家事を受け入れるのが難しいケースだってあるだろう、と。

また、「自分のため」と思うよりも「家族のため」と思うことで、ようやく重い腰が上がるんです、というご意見もいただきました。

家庭の中のことと言うのは、これだけ長い間事業として携わってきていても、とてもとても一括りに理解できるものではありません。
僕たち専門家は、それをある程度セグメント分けして、乱暴だなと思いながらもザックリと括って「〇〇だ!」と言ってしまうわけです。
そうすることで、言語化できたり、共感を得たりすることもたしかにある。
ですが、一方でこのザックリとした括りに当てはまらない人たちが、当然出てきます。
そして、そうした様々なケースがあること、それぞれのケースの人たちがどう感じ、どう捉えるか、専門家である以上はそうしたところまで意識が向かなければならないと、あらためて思いました。

さて、今回の「家族のために家事をすると苦しくなる」で本当に言いたかったことは「自己犠牲だけじゃなく、貢献の中に喜びを見出そう」ということです。

僕はそもそも「誰かのために、自分ができることをすることは幸せである」と思っています。ちょっと前に流行っていた言葉で言うならGIVER(与える人)であろう、ということですし、僕が好きな仏教の言葉で言うなら自利利他(じりりた)となります。

家族のために家事をすることは、家族のためだけではないはずです。
それによって自分に返ってくる何かがある。

「そんなの何もない」「わかっちゃいるけどシンドい」と思うかもしれないし「感謝の一つもされない」「ご飯をつくっても無反応」「やって当然と思われてる」という辛さもあるかもしれない。

自分に返ってくる何かとは、ときに貢献した相手が直接返してくれることではなかったりします。目に見えて報酬が返ってくることでもないかもしれません。お給料ももらえないし、感謝もされないし、やっても褒められないのにやらなきゃ嫌な顔されることだってあるかもしれない。

ですが、貢献によって得られる幸せは「リアクション」とは限りません。

人のために何かをすることで得られるのは「人との関係性」です。仏教ではこれを「縁起(えんぎ)」と言います。
「この人は、人のために一生懸命になってくれる人なんだ」という評価は、目には見えませんがかけがえのない財産になります。お金や不動産などの有形資産に対して、目に見えない人との関係や知識やスキルなどを無形資産と言います。自分がGIVERになること、自利利他の気持ちを持つことはこの無形資産を増やすことになります。

ただ、GIVERの注意点として上げられるのが「自己犠牲の上での貢献は危険である」ということ。

与える人ではなく、搾取される人になってはいけません。
自利利他も、「利他」は他人を利することですが、その前に「自利」自分を利することがついています。つまり、自分の利をしっかりと見据えることがGIVERになるためには欠かせない条件とも言えます。

家事で言うなら、
家がキレイになること自体に喜びを見出したり。
新しい料理が美味しくできたことに嬉しさを見出したり。
衣類をキレイにしまえたことが嬉しかったり。
工夫して節約できたことが嬉しいでもいいし、家事の知識を学んだことを試してみるのを面白がるでも、何だっていい。
自分の行為の中に、何かしらの面白みや喜びを見いだせると、家事のシンドさを少し軽減することができるのではないかと思うのです。

状況によって、家事や家庭の考え方は様々です。
ですが、自己犠牲の苦しさから少しでも楽になるためには、自利利他の気持ちを持つことだと思うのです。
家族に「もっと感謝を伝えるようになってほしい」と願っても、そう簡単には変わらないかもしれません。そんな家族の姿を見てイライラするのは仕方ありませんが、仕方ないばかりでは辛いのです。
だから、少しベクトルを自分に向けて「自分にとって嬉しいこと」を見つけられるように目を凝らしてみて欲しいと思います。

別に家事に限らず、それを見つけていける自分になることは、自分を生きやすくする上で欠かせないスキルだと思うのです。


今日も見に来てくれてありがとうございました。
ぜひまた遊びに来てください!


◉ 新刊!「家族全員自分で動く チーム家事」発売中です

この度、夢だった家事シェア本の出版が決まりました!
家事をチーム化させる方法を診断、一人でもできるワーク、多くの事例、14年間の活動から得たメソッドを通して明らかにしています。

「なぜか家事育児にモヤモヤする…」という方はぜひご覧ください!

ーーnoteの記事はコチラーー
👉 記事を書いてる三木智有ってどんな人?
👉 子育て家庭のためのお部屋のコーディネートに興味ある人はコチラ
👉 お部屋づくりのコツが知りたい方はこちらのマガジンをどうぞ
👉 人気の記事だけ読みたい、という方はこちら



いいなと思ったら応援しよう!

三木智有|家事シェア研究家
最後まで読んで下さり、ありがとうございました! スキ・フォロー・シェアなどしてもらえたらとっても嬉しいです。 ぜひまた見に来てください!!