見出し画像

レコードを作る4

そろそろ納期が近いが本プレスの工程に入ってから一度も連絡がないからメールしてみようと思っていた矢先に2通のメールが届く。レコードプレス会社(ヨーロッパの某国)からではなく、運送会社からだ。メールによると5日以内に到着するとのこと。追跡番号も付いている。急に納品が目の前に迫って来て、ソワソワする。

それから2日後の朝、携帯電話に着信があった。運送会社からだ。「伝票のお名前がsatoになってますが斉藤さんで間違いないですか?」と確認される。プレス会社からの見積書がsatoになっていたので指摘すると直ぐに訂正したという返事があったのだが、最後までsatoのままだった。それでも荷物は届く。大きな段ボールが3個届いた。そんなに多くないなと思いつつ開けてみるとレコードは80枚程度しか入っていない。メールが2通に分かれていたのはそういうことか。となるとあと4箱来ることになる。翌日残りのレコードも無事届き、その日の午後にプレス会社からようやくメールが来た。

シュリンクされた大量のレコードを眺めながらモノを作った実感に浸る。早速1枚開封し聴いてみた。注文したプレス会社のテストプレスと本プレスの音質の違いの話を聞いていたので、とにかく早く確認したかった。

実際聴き比べてみると確かに違う。本プレスの方が中低音が乗っている印象で、若干くぐもっている。音が太くなったような印象もある。これはこれで面白いなと納得した。友人と妻にも聴かせたが、悪い印象はなかったようで安心した。

歌詞カードやダウンロードコード付きのカードは付けず、他の仕様も地味なものにした。レコーディングコストもそんなにかかっていないので価格は税込2200円に設定した。レコーディングスタジオを借りたりマスタリングやデザインを外注したらこの値段は無理だっただろう。さあ売らねば。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?