レクチャー・パフォーマンス「An Imperial Sake Cup and I -恩賜の盃と私」
レクチャー・パフォーマンス。
はじめて聞いた。レクチャー?パフォーマンス?
なんとなくわかるようでわからない横文字。
どうやらこの言葉、現代美術用語らしい。
2022年10月29日、レクチャー・パフォーマンス「An Imperial Sake Cup and I -恩賜の盃と私」という講演を見た。
東南アジアとタイを代表する歴史家のチャーンウィット・カセートシリさんによるレクチャー・パフォーマンスで、1964年に当時の皇太子夫妻がタイを訪問した際にチャーンウィットさんが記念に賜った酒盃を起点にして、自身の個人史をたどりながら、タイと日本の歴史の歩みを解きほぐすという内容である。
単なる歴史講演ではなく、講演をベースに現物と映像を使ったアート的要素をもったレクチャーという感じ。
タイの歴史をチャーンウィットさんと一緒に歩みながら、酒盃を起点にして、タイと日本との関わり、日本の天皇制の意味を紐解いてくれているような感覚だった。
この講演、はじめはチャーンウィットさんの酒盃コレクションを展示するという提案だったようだが、彼は「普通では面白くない」と考え、レクチャー・パフォーマンスというアート的手法で、物語を伝えることにしたと仰っていた。
本人は歴史学者であるものの、アート的な手法で伝える。
この「普通では面白くない」という発想は、私も見習いたいと思った。