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ADL維持等加算に必要な、バーセルインデックス(Barthel Index)について
こんにちは、とも(@tomoaki_0324)です。
皆さんの施設ではADL維持等加算を算定していますか?
ADL維持等加算は2021年4月度の改定に伴い、加算単位が10倍に増え、算定要件が大きく緩和されます。
加算単位がこれだけ大きくなったということは、それだけ国から期待されている加算です。
今後ますます重要視されてくる加算だと認識できます。
そしてADL維持等加算を算定するのは、利用者さん各々にバーセルインデックスという評価を、定期的にしていく必要があります。
今回はそのバーセルインデックスについてお伝えしていきます。
バーセルインデックスとは"日常生活動作"を客観的に数値化する評価表です。
日常生活動作とは、日常生活を送る上で必要な動作のことですが、下記のように「基本的日常生活動作」と「手段的日常生活動作」に分類することができます。
バーセルインデックスは図の左側の「基本的日常生活動作」の評価をします。
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では今から具体的に掘り下げていきますので、最後まで読んでいただけると嬉しです。
バーセルインデックスとは
毎日の生活に必要な動作がどのくらいできるようになったのか、どのくらい悪化を防いだの、逆にどのくらいできなくなったのかを客観的に知ることは非常に重要なことです。
「以前よりは良くなった気がする」「少し楽に動かせるようになった」という感覚では正確な評価は難しいといえます。
バーセルインデックスとは、利用者さんの日常生活動作(ADL)を感覚ではなく数値で評価する方法です。
バーセルインデックスは専門職以外の人でも理解しやすい指標で表され、世界的に普及しています。
バーセルインデックスは基本的日常生活動作の評価として1965年に発表された歴史のある評価表です。
下の表がその評価表になります。
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次に評価項目と採点方法についてお伝えしてきます。
評価項目/採点方法
評価項目は下記の10項目から構成されています。
食事
車いす・ベッド間の移乗
整容
トイレ動作
入浴
平地歩行
階段昇降
更衣
便禁制
尿禁制
全10項目で構成されており、0〜100点で評価されます。
それぞれの項目は15点、10点、5点、0点の4段階で採点するもので、介護の現場や病院などで利用者さんのADLを評価することが目的です。
バーセルインデックスの評価は、自立・部分介助・全介助で評価を行います。
多くは、自立10点、部分介助5点、全介助0点となっています。
移乗と歩行、この2項目は自立が15点です。
また同じように、整容と入浴、この2項目は自立が5点です。
そして総点は最高100点、最低0点です。
総点60点が部分自立と介助の分岐点であると報告されています(1979)。
一般的には85点以上が自立とされていますが、95点以上を完全自立とする報告もあります。
一番の特徴は『できるADL』の評価だということです。
日常生活でやっていなくても、評価時に出来れば点数が上がります。
普及度が高く、比較的簡単に評価が行えるという利点はあります。
しかし若干採点が粗くADL能力の細かな変化が反映されにくいといわれています。
ここが一番のデメリットで、評価者によってばらつきが生じてしまいます。
1年目の評価者と10年目の評価者では総点に変化が生じてしまうこともあります。
評価は再現性が最も重要なため、ばらつきが生じてはいけません。
なのでADL維持等加算の算定要件には、『バーサル・インデックスに関する研修を受けた者がADL値を測定』とされています。
おわりに
今回はバーセルインデックスについてお伝えしました。
それほど複雑でもなく、時間のかかるものでもありません。
もしADL維持等加算をまだ算定していないのであれば、一度検討してみてはいかがでしょうか。
それではこれで終わります。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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