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《利用ケース②》所属2年目『花ドゥル・節子さん(仮名)』〜事務所内アピールのブレーンとして〜後編

前編はこちら
https://note.com/tomo_yamagami/n/ne0dd704792a9

そんなわけで1回目のサンプル作りから半年くらい経った頃、節子さんから、月1メンターのご依頼と、同時進行でのサンプル収録の2件のご依頼申し込みをいただきました。


メンターDay1。
半年の間、候補出しは大小ありつつコンスタントにあったとのことでした。

ホ〜良かった〜。節子さんは頼まれてもないボイスサンプルを自腹で10万円も払って作ってまで提案している訳ですから、そういう情熱は少なくとも受け止めてくださる事務所さんってことです。良かった〜^^;

候補出しをしてくれるマネージャーも数人になったとのこと。
これも本当に良かった!様々な担当者から声がかかるようになれているということです。
節子さん的には総収入に変化がないことから現状維持に感じてしまっているかもしれませんが、「質」で見ればある意味で右肩上がりができているということです。こちらも理想的な状態です。

ちなみに1回目のサンプルに対しての、メインマネージャーからの評価は「△+(さんかくプラス)」という感じだったそうな。

引き続き候補出しがあれば振っていくけれども、もう少し何かインパクトを出したりもできそうだから、あと一歩踏み込んでみてもいいかもね〜‥‥
的な感想とだったとのこと。

節子さんは、上記マネージャーからの微妙な返事に少し不安もある、とのことでしたが、僕はそんなことはないと思います。段階を踏めている証拠のベターな回答だと思います
『候補出しを変わらず数件いただいけてのだから、現状で戦力に入れてもらえてるっってことです。安心してオケです』とお伝えしました。候補出しのいくつかはゲットまで行ったとのことでもあるし、それら現場現場でゆっくりですが信用が積み重なっていっているってことですよとお伝えしました。
最初からイケイケ提案にしちゃってたら拒否反応が出ていただろうと想像できるのです。


ちなみに節子さんによれば「実はいくつか大きい仕事の候補出しもあった」とのことでした。
とはいえ
①テレビ地上波などの候補出しでは、最終オーディションまでいけたものの落選してしまったりしている
②同じ事務所内で似たポジションにいるベテランと競り負けてしまっている

などのことがあるようです。

僕としては
オーディションに落ちる落ちないはお見合いみたいなもので、相手方の事情に依るものですから一喜一憂する必要はありません。候補出しさえされていれば9割成功みたいなものですからご安心を。
とお答えしました。

節子さんは「でも、だからってどうしたらいいか‥‥」と頭をかかえます。

僕としてはその答えは簡単です。
『いよいよオフェンス用のサンプルを作る日がやってきたってことです!今日いろいろお話ししてくださったのでサンプル作りはメッセージを絞り切れますよ!攻め攻め攻め!』

節子さんは「夏の特番に向けて何かアピールしたかったのでサンプルは作るつもりでしたが‥‥ただ一つ不安なのは、事務所にうるさがられたり飽きられたりってことはないものでしょうか‥‥?」

「攻めた作りにするから1回目とだいぶカラーを変えるので大丈夫です!そのために1回目は大人しくしたということでもありますし。それより情熱認めてくれる事務所さんのようですから絶対大丈夫!むしろ今こそタイミング!GoGoGo!」

そんな訳でボイスサンプル作りDay1~3となりました。


収録前の打ち合わせでは、節子さんからさらにお話を伺って、競り合いになりがちだというベテランプレイヤーさんのお名前を聞くことができました。

そのベテランさんのポジションのことを考えると、自ずと「節子さんがどの辺のポジションだと捉えられているか」が浮かんできます。

僕視点ではありますがそのベテランさんの特色と、節子さんの特色をそれぞれお伝えしました

その上で、ベテランさんに似せたプレイを闇雲にただなぞってぶつけるのではなく「二人が選ばれているであろうポイント」をしっかり押さえつつ、さらにマネージャーがキャスティングでカードを並べられるようにベテランさんと少し落とし所を変えたサンプルを作ります。
また、ベテランさんが苦手としているであろう方向性のプレイも入れます。

メンターの時間を経たことで、僕と節子さんのコンセンサスは取れていますから「何のためにここでそういう読みをするのか」が合致して、ディレクションがすいすい通っていきます。一つの目標に向かってあれこれ試行錯誤する深い収録となりました。

サンプルは10日ほどで完成。節子さんは早速事務所に提出してくださいました。


サンプル収録から2週間後。メンターのDay2です

節子さんによると、メインマネージャーや先輩プレイヤーからは好評をいただいたとのこと。良かった良かった。

「とはいえ、サンプル提出後、数人のマネージャーはすぐ返事をくれたんですけど、数人のマネージャーは無回答で‥‥あんまり良くなかったのかな‥‥少し不安もあります」とのこと。

僕としては『サンプル(提案)の返事というのはマネージャーにとってはとても難しく労力やメンタルが必要なものです。リアクションしないからって”聞いてない訳ではない”はずです。だから、リアクションがないイコール不評ではないのでまずは不安にならなくて大丈夫。むしろ、後に大きなリアクションをしてくれる人というのは、えてして即座のリアクションはしてくれないというかできないというか……。遠くでじっくり、あなたを観察していたりします。極端な話ですが、今この瞬間の節子さんをみて【仕事がない時にどのような反応をしているか】を観察している可能性だってあるんです。大きなチャンスを振る人ってそういうものです。ずっと試験が続いているもんだとして凛としておくことが大事ですよ』とお伝えしました。

節子さんは横入り組です。マネージャーも節子さんのことを、良くも悪くも情熱頼りで実質事務所にぶら下がるしかない新人とは違う目でみているはずです。
ですから、ここで焦って自分らしくないプレイやアピールを連発したり、へんに下心に勘ぐられてしまうような(事務所に重荷に感じられてしまうような)ことは、できるだけ避けた方が良いと思いますとお伝えしました。

また、サンプルを提出したからといって、待つだけになるのも良くはないこと。現場でマネージャーと会う機会に、ただ世間話をして無駄にしないように準備しておくとか、SNS発信など出来ることを心がけて、先方の重荷にならずにリマインドを怠らないようにすることなどで、アフターフォローの大事さもお伝えさせていただきました。

節子さん自身が能動的で、情熱もしっかりされているため、とても深いメンターが繰り広げられています。


次回は「事情があって数年、事務所から離れてしまっていた」ブランクさん。その再始動に合わせ『世にない読みのスタイルを探す』ことになった、メンターについて書こうと思います。


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