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ドキュメンタリ映画研究会『共犯者たち』
映画『共犯者たち』を観ました。先日ナレーター仲間の新井麻希さんが出演したweb番組の中で紹介されていたからです。
配信元はこれまで
インドのおトロしいバス事情を描いた「秘境をぶっ飛ばせ!」
インドのおトロしい電気事情を描いた「街角の盗電師」
フィリピンのおトロしい女性を描いた「イメルダ」
など
傑作ばかりをお届けしてくれているアジアンドキュメンタリーズです。
今回の映画は韓国映画。
公共放送の数局が、
政権からの露骨な介入を受けており
ジャーナリストや局員が、いかに抵抗しているか、という話。
公共放送でありながら
セウォル号の一件を当初は無視し続けたということや
忖度を強要するような社長への直電などがあったということなども
赤裸々に描かれており
ジャーナリストとしての、表現者としての怒りやスピリットが
ひしひしと伝わって参りました。
公共放送、と言っても
韓国の公共放送は広告収入があるそうで
財界も絡みまくってるのでしょうか。むーん、複雑。
韓国のことを全然知らない僕としては
映画から色々考えるしかないわけですが
この作品をみただけだと、
「局員側の意見と視点」という一方からのメッセージしか感じられなかったので、自分の情報不足も含めて、やや残念ではありました。
一方のメッセージしかないのは
単術に「作品の性質上としての演出」か、
「テーマがそれほどにタブーすぎる」のか‥‥
両論併記が必ずしも良い、とも限らないけれど‥‥先日レビューを書いたアメリカのドキュメント映画『ワイルドワイルドカントリー』は、あらゆる方面からのインタビュー証言もあり、当時の資料映像もふんだんにあり、それら客観性のようなものが見るものにリアルな恐怖を与えてくれたものであります。
例えば社長辞任を訴えるデモのシーン。カメラフレーム外がどうなってるか観てみたいし。
例えばシュプレヒコールのシーン。参加しない局員はどれくらいいるのか。どんな価値観で参加しないのか。【そういうとこも知りたいなー】とも感じましたです。
映画のいわんとするところとはちょっと違うかもしれませんが
放送とは元来、「そもそもプロパガンダのためにある」とすれば
情報の送り手の責任だけでなく
私たち視聴者にも『ちゃんと視る必要があるなぁ』とも思いました。
川口浩探検隊に向かって「嘘つけ!」って真剣に怒っちゃうような「純粋っていうか‥‥野暮っていうか‥‥な視聴者」になってしまうと、色々、勿体無いような気もしています。
さて
次回の映画鑑賞は
この映画を作った「韓国テレビ局を辞めた有志で結成したニュースサイト『ニュース打破』」の作品である『スパイネーション』を観ようと思いました。