手芸ノート(4) マスクハンサム
このところ、手作りマスクをしている人を街中で見ない日はありません。私も手縫いでチクチクと作り、ちょっとした買い物や用事の時に着けるようにしています。
とはいえ、手作りマスクは布選びが難しい。通気性がなく分厚い布はNGだし、好きな色や柄の布を考えなしに使うわけにはいきません。だって、顔の半分に置く布だもの。もはやファッションの一部なのです。
というわけで、手作りと思われるマスクの方をお見かけしたら、「どんな布かな?」とチラッと拝見させていただいちゃったりしています…くれぐれも失礼のないように、あくまでも一瞬だけ、チラッと。
そんな日々の中で、私はあることに気が付きました。それは、年配の男性(70歳代以上?)の中に、味のある手作りマスク姿でいらっしゃる方が多いということ。おそらく奥様の手作りなのでしょう、手拭い生地を使ったモノトーンのものが多く見受けられるのも特徴です。水玉や格子柄のような、幾何学的のものが目立ちます。普段着のシャツとズボンのおじさんが、白地にきりっと黒や紺の模様が入ったマスクをして、商店街を黙々と歩いておられる。
でも、もしも彼らに「素敵ですね、似合ってますよ!」と言ってみたところで、「しゃあないがな、仕方なしだがな」と無表情に方言で返されると思うのです。それもまた良し、でしょう。
私はかねがね、男の人は花を持つと意外と似合うと思っていました。これからは、手作りマスクも加えることにしたいと思います。この春の発見でした。