手芸ノート(1) それぞれのスタンダード
日常生活はいろいろな忙しさであふれていますが、それらを少し脇に置いて、自分のために、あるいは誰かのために、布と針を持つ時間はいいものです。
手元に広がる、小さな世界と対話する時間です。
私は子供のころから手芸に親しみ、じゅうぶん大人になった今でも、趣味としてハンドメイドの小物を作っています。この先もきっと、生活の中で針糸を手放すことはないだろうな、という気がしています。
そこでこのnoteでは「手芸ノート」と題して、自分と手芸とのかかわりをふりかえりつつ、ハンドメイドに関する様々なトピックスを書き留めていきたいと思います。
さて、初回となる今日は、手芸ライフの基本である「針」の管理についてお話しします。
これがないと縫物は何も始まらない、要の中の要といえる存在の針なのですが、小さくても立派な武器になりうるほどの、鋭利な金物でもあります。
なので、私はどんな大物を縫うときでも、ピンクッションには縫い針と刺繍針を合わせて4本、待ち針を6本、合計10本のみを刺しておくようにしています。
このくらいの本数にしておくと、うっかり床に落とした時などにすぐに気がついて便利なのです。針の増減を感覚的に把握できる本数を考えたときに、私の場合は上記の数がベストとなりました。
ピンクッションは6センチ四方の小さいものを手作りしています。使っているうちにへたってくるので、数年おきに作り替えます。中に詰めるものはシリコン入りの手芸綿をお勧めします。ふつうの手芸綿だと、知らないうちに針が錆びてきてしまうんです。それは、けっこうショックです。
手芸は、趣味の範疇で語られることが多いのですが、本質的には家事の一環につらなるものです(その代表がボタン付けの作業でしょう)。
ですから、できるだけ合理的に、余計なことを考えなくても体が自然に動くようなシステムを作っておくのがいいんじゃないかな、と思っています。
それは、あくまでも人それぞれに。