ドラマ「少女に何が起こったか」から得た影響
事件・右手を痛めた!!!
私ごとですが、現在、右手を痛めております。しかも親指です。
ある日突然痛くなり、ペットボトルのキャップも開けられなくなりました。
もう50代です。色々ガタが来るのでしょう。
とはいえ、しがないピアノ弾きです。
右手が弾けないと困るので、一応整形外科に行ってみました。
「異常なし」、という所見に、ちょっと不満。
Dr/「また何かあったらおいでーやー(来てね、という広島弁)」
いや、何かあったから来てるんですけど・・・
結局鎮痛剤を飲んでしのぐしかない、日にちが経てば治る、という見立てだったので、貼り薬も飲み薬も出ず、手ぶらでクリニックを後にしました。
それでも私にとっては大事件ですし、仕事上困ることでもあります。
結局、近くのドラッグストアーで湿布とサポーターを買い、使わないように「心がける」ようにし、現在に至ります。
ピアノが弾けない!!(小泉今日子?!)
昭和の頃、「少女に何が起こったか」という、小泉今日子さん主演のピアノドラマがあったのをご存知でしょうか?
人気絶頂だったキョンキョンが特待生枠で音大に入り、お嬢様たちにいびられる話です。
キョンキョンが(役の名前を忘れました・・・)とあるコンクールに出るために猛練習をして腱鞘炎になり、「ピアノが弾けない、ピアノが弾けない」というシーンがありました。腕をバンバン叩いて、もどかしさをアピールするのです。
気持ちはすごいわかりますが、叩いても治りません・・・
なんとなく、あのシーンを思い出しました。
「少女に何が起こったか」は、名曲を一般化した
ちょうどそのコンクールの予選の課題曲となっていたのは、ショパンの革命のエチュードでした。まだ小学生だった私は、レベル的にもそこまで追いついてもいないし、センセーショナルでしたね〜。弾きたい、この曲、弾けるようになりた〜い、って思いながらドラマを楽しみにしていました。
そして、予選に通ったキョンキョンは、本選でベートーヴェンの熱情ソナタの3楽章のCoda(終わりの部分)をTVでは演奏するシーンがありました。
また、これがいいんです。かっこよくて、指がくるくる回って、こんな曲があるんだー、弾きたーい、ってなりました。
私だけじゃありません。
学校に行けば、ドラマの次の日、男子も女子も「ジャーンジャーン ジャカジャカジャカジャカ・・」とメロディを口づさんでいますし、みんなで歌ったりして遊んでいました。
ショパン〜、とか、知らない人たちにピアノの世界、クラシックの世界の素晴らしいところを教えてくれた貴重なドラマでしたね。
その後中学生になり・・
楽器屋さんに行き、自分のわずかなお小遣いで「革命のエチュード」の「全音ピアノピース」を買う、ということをしました。
本当は「熱情」も一緒に欲しかったけど、熱情は長大な曲で、お小遣いでは買えませんでした・・・
私が初めて買ったLP(昭和の人間です、CDが出たのはその3年後です)も、オールショパンのレコード。同じ楽器店に並んでいたレコードに「革命」が入っていることを確認し、お小遣いを貯めてそのレコードを買うのを決めたものです。
その頃から、私の「ピアノスイッチ」が入りました。
思えば、あのドラマが私に与えた影響は大きかったのでしょうね。
お小遣いは全て楽譜とレコードに消えた
今も、私のピアノ教室には膨大な量の楽譜がありますが、昔買ったものもそのまま残っています。
レコードは残念がら手放しましたが、楽譜の断捨離はできません。
のちに革命の入ったショパンの練習曲を弾くことになり、曲集を購入して勉強したのですが(勉強中です、これは多分一生)、昔買った思い出のピアノピースは、大切な思い出として書庫にしまってあります。
その時に習っていた先生の書き込み、黄ばんだ楽譜の思い出、何度も譜めくりして破れた箇所、全てが私の「青春」であり、「礎」なのです。
捨てられるわけがありません。
ピアニスト・舘野泉さんの言葉に励まされる
右手の負傷の話に戻りますね。
私は、夕刻、レッスンが始まる前に何時間か前に教室に行き(自宅ではないんでね)ピアノの練習をするのがルーティンです。
しかし、今、休めなければいけない右手があるので、練習ができない。
まさに「ピアノが弾けない!」の状態です。
舘野泉さんは、日本の重鎮のピアニストで、殊に北欧のピアノ曲の研究では第一人者です。たくさんのCDを出されていますので、聞いてみてくださいね。
このかた、脳の病気を患ったことがきっかけで、右麻痺になられました。
ピアニストが、動く右手を失ったのです。
きっと、絶望や、恐怖、色々な体験をされたことと思います。
でも、こうおっしゃったのです。
「音楽があれば幸せ」
そして、その日から、「左手のピアニスト」として活躍されています。
発想の転換って、これほど重要なのか、と思いました。
すごいな、この人、人間大きい!!!
私の知り合いにも左手のピアニストがいますが、みなさん理由はさまざまです。
でも、音楽をすることが幸せ、自分にできる音楽の手段で、という希望を持っておられるのが素敵です。
右手を痛めて凹んでいる場合ではない、今のうちに左手の練習をしとけばいいじゃないか、と、前を向かせてもらいました。
舘野泉さん、ありがとうございました。
もう一人、前を向かせてくれたピアニストがいる
これは、自己紹介にも買いた、私の推しのピアニストのBUNINさんです。
語り尽くせないので、また別の機会に書きますね。
今日も読んでくださってありがとうございます。