転がる(詩)

もう私は自分が何者なのか分からない。

貧しいのか富める者なのか、田舎の出身なのか都市の人間なのか。

私にはあらゆる血が流れている。

同和と呼ばれる地を這う様な人間の其れや荒々しい場所の血だって。

私達は都市へ向かったね。
富める者へと憧れたね。
そして私達は勇敢にもその地に足を踏み入れた。
とても大切な土地というものを手に入れたのだ。

しかし其処には友はいなかった。
純血の彼等は友人にはなってくれなかった。

土地から土地へと転がり続ける私達は永遠に孤独になった。 

誰か、この孤独を受け止めてはくれないか。
誰か、難解な歴史を理解しようとはしてくれないのか。

私と貴方の間には無理もない不理解がある。

どうしようもない、文句も言えない。
私と貴方の間には、
いや貴方はこんな事忘れるだろう、

私にはこの先えいえんに
不理解という不安が在り続ける。

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