制服を捨てて、『自分』を持て。
高校を1年で辞めた。僕にとって青春はただグレーな日常でしかなかった。
京都の出町柳から大阪の梅田まで行く京阪列車に乗っていたら、憂鬱そうな自分の顔が車窓に映っていて昔のことをふと思い出した。通り過ぎる駅に次の列車を待つ高校生と、自分を勝手に重ねてしまったのだ。僕は卒業する前に制服を捨てて、生きる決意をした。16歳の冬のことである。
朝が苦手だった。中学は実家から徒歩10分ほどの場所にあったので、多少寝坊しても朝食を抜いて走って行けば余裕で間に合っていた。いつも思っていたの