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3年越しの念願叶って出会えた、東寺の立体曼荼羅

28日午前中に仕事を終えて新幹線に飛び乗り京都へ行き、29日は奈良へ。
今回の弾丸旅行の目的は、薬師寺の心柱と東寺の立体曼荼羅を見ることです。

2019年のゴールデンウィークに、競馬を見るために京都に滞在していた父と合流して一緒に見に来たのですが、当時立体曼荼羅の周りの仏像達が東京の展覧会へ出張中でした。

土台しかありませんでした。

知らずに入ってきた外国人観光客の方が「Oh my god!」と呟いていました。
あんなに心の込もった「Oh my god!」は後にも先にも聞いたことがありません。

土台だけを見る機会はなかなかなく、普段は仏像の背中に隠されて見えない部分にも細かい細工が施されており、造られた方の仏像への畏敬の念と深い想いが感じられました。それはそれで見ることができて良かったけれど、遥々海外からやってきた方にとっては「Oh my god!」でしかないでしょう。

その後東京の展覧会へ行き、周りの仏像達にお会いして、脳内で立体曼荼羅を完成させてみようと試みました。
しかし周りの仏像達が多すぎて、脳内での配置図と実際の配置図が合致しません。
脳内で仏像達が迷子になってしまいました。

これは仏像達が出張から戻られてからもう一度見るしかないと思っていたらコロナの流行が始まり3年越しでの御対面になってしまいました。

ゴールデンウィーク前日の平日午後だったからか東寺は人が少なく、以前来た時よりも空気が澄んでいるように感じました。
満開のツツジと色とりどりの鮮やかな新緑が青い空に映えて眩しく、それぞれが輝いていました。

立体曼荼羅の仏像達がいらっしゃる講堂へと真っ直ぐ向かいました。

講堂の木の扉をゆっくり開けると、薄暗い中に光が差し込み大きな仏像達がくっきりと浮かび上がって見えました。
圧倒され鳥肌が立ち、扉を開ける手が一瞬止まりました。

講堂に足を踏み入れると、外よりも温度が低く、空気が重く、外とは明らかに違う世界なのが、感覚で分かります。

勢揃いした仏像達は、力強く、そして静かに穏やかにそこにいらっしゃっいました。
あの時は土台しかなかった仏像達も収まるべきところに収まっていました。
お一人お一人の存在感が大きく、その個々の存在感が集団になり共鳴しあい、より大きな力を放っていて、圧倒されます。

中心でどっしりと全てを見通していらっしゃる大日如来様。
柔らかく穏やかなゆったりとしたお姿で、美しく魅力的な金剛波羅蜜多菩薩様。
恐ろしい表情をしていらっしゃるけれどその裏には圧倒的な愛を感じる不動明王様。

二十一躯の仏像達が表している弘法大師の密教の世界は、厳かで美しく、しなやかで清らかで。
コンパクトに収められているけれど、どこまでも拡がりを感じるような、穏やかで平和な世界でした。

この場で平安時代からずっと、祈りを捧げる人々を、暖かく力強く見守ってくださっている立体曼荼羅の仏像達。

「いつも見守ってくださりありがとうございます」
深い感謝の想いが胸の奥からじーんと込み上げてきて、暖かくゆっくりと私の身体を包み込み、周りへと拡がっていきました。

講堂の中の観光客は5人くらいで、かなりゆっくりとお一人お一人の仏像達と対話をさせていただきながら、その世界に浸ることができました。
3年越しに念願叶って出会えて、時間はかかったけれどまさにこのタイミングだったのだろうと感じました。

あの「Oh my god!」と呟いていた外国人観光客の方にこの世界を見て欲しくて、また来れる日がくることを心から願いました。

#京都 #東寺 #立体曼荼羅 #仏像 #ゴールデンウィーク


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