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言葉の力
久しぶりに作家の高橋源一郎さんがパーソナリティーをするNHKラジオ「すっぴん」を聴いた。
一言一言からにじみ出る源一郎さんのやさしさは、安心する。「言葉の力」を本当に信じているからこそ、それを扱うこわさも、その可能性も両方をまるくつつんでくれているかんじ。
石牟礼道子さんの代表作「苦界浄土 わが水俣病」についての源一郎さんの話もとても興味深かった。
絶望を言葉そのもので絶望的だと伝えるのがドキュメンタリーだとしたら、絶望を美しい、尊いとさえ伝えるのが文学の力なのだと。
そうでもしないと人間はつらくて勝てなかったからかも……という源一郎さんがぼそっというところも、そんななかで自分もたたかってきたから、そんななかで自らも言葉の力を信じてなんとか生きるという絶望のなかを生きようとしてきたからこそ、思うことなのかなあと思う。
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