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大企業のキャリア冒険記②~暗黒城で得た武器と試練~

こんにちは!
人生を前向きに楽しみながら奮闘中、tomomiです。
大企業というのは安定してお金がもらえる
「オープンワールドアドベンチャーゲーム」
今回は大企業のキャリア冒険記②をお送りいたします!

前回のあらすじは…
大企業という冒険の世界に飛び込み
若さを武器に昇進を目指して努力した若かりしtomomi。
しかし、突然の異動辞令で
新たにリニューアルオープンを控えた店舗に配属。
これまでの戦略が通用しない未知の環境に
直面することになるのでした。


新たな冒険の地それは暗黒の城

私は、リニューアルオープンを控えた店舗に配属されました。
そこは社内でもお金をかけたプロジェクト店舗でした。
異動の際に、
エリアを出れば昇進は遅くなるだろう
それは当時の私にも分かりました。
だから私は24歳の私はマネージャー昇進を目標から外しました。
それよりも店舗のミッションを
現場スタッフとして実践すると決めたのです。

そんな意気込みで異動しました。
しかし、そこは私が経験してきた世界とはまるで違いました。
エリアが変われば、常識も変わる。
それを痛感しました。

手に入れた武器

カルチャーショックを受けながらも
結果的にこの店舗で私が身につけたもの。
それは人前でしゃべるスキル、MCスキルです。
それまで特に意識したことがありませんでしたが
私は人前でマイクを持って話すこと
特に司会をするのが人より得意だったのです。
この店舗では人前でMCをする機会が多く任され、
任されれば任されるほどスキルは上がっていきました。
これはのちに私の身を助ける武器になっていきます。

暗黒城の主、パワハラ店長

さて、知り合いもいない慣れない環境の中、
オープンの準備を進めていきます。
そのころに会話をしたことのない店長から
初めてかけられた言葉に衝撃を受けました。

「あんたね、
前のエリアでは評価が良かったかもしれないけど、
俺は認めていないから。」

「え?」
想定外の言葉に戸惑いました。
確かに、今振り返れば当時の私は生意気だったかもしれません。
しかし、ほぼ初対面でこの言葉を浴びせるのは
マネジメントの観点からも問題があったと今でも思います。
正直な気持ちを言えば、当時の私はこの店長が大嫌いでした。

歓迎の言葉ではなく、
存在否定の一言から始まった店舗での勤務。
それはそれは過酷なものでした。
その店長は、独裁的な店舗マネジメントをすることで
実績を上げるタイプでした。
結果を出すためなら手段を選ばないのです。

まず、とにかく長時間労働を強いられました。
営業が始まると、早番から遅番まで通しで働き、
遅番後に翌朝からの勤務が続くこともありました。
疲れ果てた私は帰宅しようとした車で寝落ちし、
翌朝出勤した早番スタッフに起こされたことがあります。
深夜のドン・キホーテの駐車場で寝込んでしまい、
警察に声をかけられて目を覚ましたこともありました。
そんな働き方が当たり前になり、
何のために生きているのかわからなくなっていきました。

喪失と後悔、そして支え

ちょうどこの時期、
プライベートでも大きな悲劇に襲われました。
大学時代から付き合っていた
遠距離恋愛中の恋人が事故で亡くなったのです。
仕事に集中するあまり、
彼との時間を後回しにしていた私は、
悲しみとともに激しい後悔に襲われました。
『もっと連絡をすればよかった』
『もっと会いに行けばよかった』
——そう思っても、もう彼は戻ってこない。
辛くて苦しくて、
二度と立ち直れないのではないかとさえ感じました。
そんな中で、仕事のストレスと大切な人を失った悲しみが重なり、
心はぐちゃぐちゃになりました。
気丈に振る舞おうとしても、精神的にも肉体的にも限界でした。

そんな状況の中、私の救いだったのは職場の同僚でした。
独裁的な店長が共通の「敵」となっていたこともあり、
仲間意識で結ばれて支え合う雰囲気があったのです。
私自身、結局大嫌いな店長から数か月の業務を通して
ある程度認められていたと思います。
しかし、店長が仲間たちに
強い言葉を浴びせる姿を見るのも苦痛でした。
店長は怒号を飛ばすタイプではなく、
冷静な口調で理詰めしながら追い込んでいくタイプでした。
ターゲットを決めると冷たい言葉で人を論理的に追い詰め
反論の余地を与えないやり方に
多くの人が長時間労働での肉体的苦痛と併せて
精神的に追い詰められていきました。

店長はグループLINEでもスタッフを追い詰めるような
メッセージを送りつけてきました。
深夜や休日にも関係なく
否定的な言葉が並ぶメッセージ。
私の心も徐々に壊れていきました。

人格を否定するような説教も日常茶飯事。
店舗の業績よりも店長の正解を探す従業員。
それに疑問を持つことができなくなっていく暗黒城。
とても気持ちが悪い空間が出来上がっていきました。

暗黒城の陥落

しかし、転機が訪れました。
当時の同僚の誰かが、匿名で会社に対して店長を通報したのです。
会社は調査を行い最終的に店長は
懲罰を受け異動することとなりました。

あの時、私がどんな気持ちだったか。
正直に言うと
「やっと解放される」
という安堵感がありました。
とにかく、もう二度と関わりたくない。
そう強く思いました。

私がここで得たもの

この経験を通して私は
「働く環境がどれほど人の人生に影響を与えるか」
を痛感しました。
そして、どんなに理不尽な状況でも
自分を見失ってはいけないと学びました。
しかし、極限状態に追い込まれると
人はまともな判断ができなくなることも知りました。

また、この経験は私のキャリア観にも大きな影響を与えました。
誰かのために働くことは力になります。
しかし、それだけでは視野が狭くなりすぎます。
どこか客観的な視点を持ち、
のめり込みすぎないことの大切さを学びました。

私はこの店舗で24歳から27歳までを過ごしました。
今でも「たられば」を考えてしまうことがあります。
もし、普通の店舗に配属されていたら——。

当時の彼と結婚できていたのかもしれない。
別れたとしても、誰か別の人と出会い、
家庭を築いていたのかもしれない。
子供がいたのかもしれない。
そんなことを考えても仕方がないのに。

もし違う道を歩んでいたら
違う未来があったのでしょうか。
それでも、この試練を乗り越えたことで
私は「自分の人生を切り拓く力」を得ることができました。
そして、それこそが私の財産になったのです。

次回予告

暗黒城の主を失った店舗。
訪れた平穏な生活。
刺激のみを浴び続けた私にとって、
その生活は退屈でしかありませんでした。
そんな日々に訪れるチャンス。
新たな目標、新たな敵、挫折。
などなど次の村での冒険について
書いていこうと思います。
次回をお楽しみに!

冒険のポイント

スキル:MC

新たな環境に飛び込んだことで、
それまで気づいていなかった
「人前で話す力」を発見することができました。
苦境の中でも与えられた役割をこなし
スキルを磨くことで
後のキャリアを切り拓く武器となりました。
このスキルが今の私に大きく影響しています。

環境が人をつくる

理不尽な環境での試練を乗り越え、
「働く環境が人に与える影響」
の大きさを痛感しました。
どんなに過酷な状況でも
自分を見失わないことの大切さを学び、
キャリア観に大きな影響を与えました。
人は経験を通して考え方の幅も広がっていくのです。

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